シャドウベインの背景世界

MMORPG、Shadowbaneがもつ舞台設定の翻訳

ルーン石の伝承

 全父は山やまの固い骨から最初の子供たち、ヨトゥン(下等のヒトにはジャイアントと呼ばれる)を作った。そして、全父は理想を実現するために、ルーンの作り方と作動させる方法を彼らに教えた。極北大地にある運命の断崖で、全父とヨトゥンたちはルーンでサガを彫り、壮大な歌をその作業と同じくらい力強くうたった。
 彼らの掘ったサガは、ヴェルトヴュアダングサガと呼ばれるものである。それは地界の始まりから終わりにまでおよぶ、すべての運命を示していた。全父は地界にあるすべての生者と動物、ならびに事物の運命を幻視で見て、サガに地界の未来を記したのである。

 

 ヨトゥンは彫刻と歌唱を行うとともに、サガを読んで、自分たちの未来を知った。それはある日、全父にひいきを受ける子供たち、ヒトによって、ヨトゥンの権勢が奪われるというものだった。傲慢なヨトゥンたちは怒り、運命をくつがえすために武器をとって、自分たちの父に立ちむかった。
 ヨトゥンたちの怒りは激しかったが、全父の拳と石の槌によって、次つぎと倒れていった。さらに、全父は空から火と雷を落とし、反抗的な子供たちを成敗していった。地界は大きく揺れた。
  勝ち目がないことを知ると、ジャイアントたちは父の偉大な作品に目をつけた。そして、ジャイアントたちは運命の断崖をたたき壊した。こうして、ヴェルトヴュアダングサガは粉ごなに砕けてしまい、破片は四方の風に乗って、散りぢりになったのである。
 サガの力が解放されて、地界の全体に行きわたると、地界の形はふたたび変わった。太陽は初めて昇り、季節は移りかわるようになった。つまり、ヨトゥンたちの悪意をとおして、全父の理想は実現し、地界は運動を始めたのである。

 

固有名詞一覧

 

《う》:ヴェルトヴュアダングサガ(Weltwyrdangssaga)、運命(Destiny)、運命の断崖(Cliffs of Fate

 

《き》:極北大地(Uttermost North)

 

《さ》:サガ(Saga)
《し》:ジャイアント(Giants)
《せ》:全父(All-Father)

 

《た》:太陽(Sun)
《ち》:地界(World)

 

《ひ》:ヒト(Men)

 

《よ》:ヨトゥン(Joten)

 

《る》:ルーン(Runes)、ルーン石(Runestones)