炎と闘争ならびに、不和の主人でもあるハリークルイストゥ女神は、気まぐれであり悪意をもっている。そのため、アエアインスで、この女神を崇敬する人びとは少ない。彼女は、信奉者たちと彼らの敵に対し、激しい炎を放つ存在でもある。イレケイのあいだでは、ハリークルイストゥ女神が広く崇拝されている。彼女は竜娘とも呼ばれており、エルフの変容から、イレケイが生まれたことになぞらえられて、再生女神とも名づけられた。
ドラゴンのはいた火により、ウォリアンドラ女神が汚染され、ハリークルイストゥ女神が生まれたと、考える賢者たちもいる。その一方で別の者たちは、この女神を異なる神格とみなし、燃え盛る太陽に引き寄せられた、混沌と火の魂だと断言した。
いずれにせよ、ハリークルイストゥ女神は、膨大な知識と強大な力をもっていると、信じられている。さらに、彼女の気まぐれにかなえば、秘技と恩恵を受けとれるともいわれている。少数の人びとが、これらの利益を求めるているが、イレケイに母と呼ばれている、この女神との取引は危険である。なぜなら彼女は、サエドローン女神よりも冷酷だからである。
天変地異がおきたときに、太陽は暗くなってしまい、その輝きは減少したままである。嘆きの日に、ハリークルイストゥ女神は死亡したともいわれている。そのように考えない人びとは、再生女神は、燃えさかる宮殿を離れただけだと唱える。そして彼女は、砕けたアエアインスで、予測しがたい陰謀と策略を、張りめぐらせていると考えられ、恐れられている。
固有名詞一覧
《あ》:アエアインス(Aerynth)
《い》:イレケイ(Irekei)
《う》:ウォリアンドラ(Volliandra)
《え》:エルフ(Elves)
《け》:賢者(Wise)
《こ》:混沌(Chaos)
《さ》:再生女神(Phoenix Goddess)、サエドローン(Saedron)
《た》:太陽(Sun)
《て》:天変地異(Turning)
《と》:ドラゴン(Dragon)
《な》:嘆きの日(Day of Woe)
《は》:ハリークルイストゥ〔太陽女神〕(Khalikryst the Sun Goddess)
《め》:女神(Goddess)
《り》:竜娘(Dragon's Daughter)