シャドウベインの背景世界

惜しくもサービスが停止されたオンラインRPG、Shadowbaneに関する世界設定の翻訳

呪術:質問と回答

質問者:現代のエルフたちは、かれらの古い帝国と過去のメイジたちについて、どう思っているのかな。昔のエルフたちは高く評価されているのか、あるいは低くみられているのか。わたしは、エルフのメイジがおこなった、おおくの行為を知っている。作りだした呪いを使い、ヒトのアルダン国を滅ぼしたことや、ミノタウロスを創造したことなどだ。
 エルフたちのあいだでかれらは尊敬されているのか、あるいは恐れられているのか。

 

メリディアン:エルフたちはメイジのことを、最高の芸術家あるいは最高の職人とみなしている。メイジたちは、エルフの社会で高い地位にいるが、現代の学会と同様に、専門家たちのあいだには激しい競争があると思う。おたがいを信頼するメイジは少ないだろう。エルフにおけるメイジたちの全員が、哀れみと公正の仮面をつけているんだ。
 もしも、きみがエルフの高等な文化をのぞいてみたいなら、『危険な関係』(※1)と、ムアコック(※2)のエターナル・チャンピオンシリーズ(※3)に出てくる国、メルニボネ(※4)を見るとよい。

 

質問者:ヒトが呪いをかけられ、エルフの奴隷として生きていたとき、ヒトはどのように呪術を学んだのか。

 

メリディアン:ヒトは無名人祖から呪術を学んだ。かれは、教えるために生まれてきたのだから。無名人祖の言葉によれば、アルダン国にあった、呪術にかかわる本来の知識は、そのすべてが悪疫呪詛によって失われた。ヒトは、隷属下で呪術の知識を大量に盗み、自由になったあとで、自分たちのために呪術を作り直したんだ。
 このような理由から、おおくの資格が新しい技芸として、あるいはヒトの技芸として、きみに用意された。

 

質問者:ヒトとエルフのあいだで戦争がおきたとき、呪術結社はどのように利用されたのか。呪術結社では、つねに両種族が協力し合ったのか、あるいは教会と同じように、種族ごとに分離したのか。
 そして、イレケイは呪術結社に加入しうるのか。

 

メリディアン:まず初めに、ヒトとエルフがもつ呪術結社の伝統を、両種族が対立するものとして思い浮かべよう。災禍戦役は、ヒトとエルフの呪術師たちを連携させ、その後、かれらは中立的な態度をとるようになった。いくつかの場所において、両種族は良い関係を築けなかったけどね。
 イレケイは呪術結社の様式に適合しないので、かれらとの距離は離れていた。

 

質問者:最高の権威をもつ呪術結社はあるだろうか。あるいは、諸集団はそれぞれが独立を保っているのか。天変地異はかれらに影響をおよぼしたのか。

 

メリディアン:すべての呪術師たちを管理しているかは不明だが、普通の呪術結社を上まわる、何らかの組織が存在していると考える。地方組織はお世辞を言いながら命令に従うが、上位組織は意図をとおすことに苦労しない。かれらはつかみどころがない存在であり、災禍戦役が終わったあとも、歴史から姿を隠しつづけた。

 

質問者:カンブリュワン王の大王国で、メイジたちはどのように思われていたのか。メイジたちは恐れられ、エルフを好きな人びとと同様に迫害されたのか。あるいは強力な同盟者、もしくは誰とも関わらなかったのか。
 ザエリスタンは他のメイジたちと同じように扱われたのか、もしくは、かれは呪術結社と何も関係がなかったのか。カンブリュワン王の軍隊が大図書館を破壊したとき、メイジたちはどのように反応したのか。

 

メリディアン:大王国では、メイジたちは疑わしく思われていた。黒魔術を使用した容疑で王妃が告発されたあと、宮廷は分裂した。ほとんどの勇士たちがザエリスタンに対し、畏敬と恐怖の念をもった。メイジたちはよそよそしく、他人と距離をおくので、かれらを把握することは難しい。言うまでもなく、メイジたちは危険なので、かれらを怒らせてはならない。
 ザエリスタンは呪術結社に深く尊敬されているが、かれは同組織に関与していない。

 

質問者:メイジとフューリーはおたがいを尊敬するのかな。女人族はほとんどの諸勢力と争っているが、友情に対立を超える可能性はあるだろうか。フューリーが、呪術結社に加入することはあるだろうか。


メリディアン:おそらく、フューリーたちは、かの女たちのもつ呪術の伝統が、ウィザードリー術よりも、はるかに純粋だと考えている。同じくらいに古いとも認識していて、呪術結社と距離をおきながら、秘奥を守っている。
 メイジたちは、フューリーをどのようにとらえているのか。ある者はかの女たちのことを、劣化したチャネラーだと考える。別の者たちは、原初的な力の利用者とみなす。一方で、興味ぶかい呪術を使う、正統な呪術師ともいわれている。おそらく、大勢の呪術師たちが、フューリーの秘技を学びたがっているが、かの女たちは応じていない。

 

質問者:ザエリスタンのような不老不死にみえる呪術師は、他にもいるのだろうか。ザエリスタンの師匠、若古老アルメウスはまだ生きているのだろうか。かれは世相に影響をおよぼすのだろうか。

 

メリディアン:大勢の呪術師たちが、自分たちがとても長く生きている、と主張している。アルメウスはまだ生きているが、魔界の軍勢との戦争いらい、目撃されていない。

 

質問者:呪術結社と教会は、どのような関係をもっているのだろうか。両組織は接触を避けているのだろうか。教会は、呪術結社を完全に軽蔑しているのだろうか。かれら同士のかかわりは、個人単位と組織単位のどちらなのだろうか。
 アニメイション術の存在は、両組織の関係に影響をおよぼしているのだろうか。サモニング術は、さらにおおきな影響を与えているかもしれない。とりわけ、悪魔や天使の召喚について、さらに、コンジュリング術についても気になる。
 他の諸集団、たとえば、ドルイドは呪術をどのように認識しているのかな。

 

メリディアン:父教会と呪術結社は、おたがいに中立的な態度をとっている。火教会は呪術結社を嫌っている。ドルイドたちは、呪術結社の力に敬意を払う。しかし、その反面、ウィザードたちが自分の利益だけを追求して、宇宙の諸力を改ざんすることを、危険なものと認識している。

 

質問者:さまざまな関係性について、もっとも知りたい答えがある。アエアインスで生きていて、呪術のはたらきについて何も知らない、平均的な人びとは、メイジたちをどのように思っているのか。強力な力をもつ世捨て人の賢人や、剣ではなく火の玉で戦う騎士は、どのように認識されているのだろうか。

 

メリディアン:あらためて言おう。シャドウベインの世界には、平均的といえる人びとはほんとうにいない。天変地異がおきたことで、おおくの迷信ぶかい人びとは、呪術師たちを信頼するようになった。その一方で、一部地域の住民たちは、天変地異の原因を呪術師たちの干渉と考え、かれらを焼いた。
 エルフは呪術師たちを芸術家とみなし、ヒトは特殊な才能の持ち主とみなし、イレケイは啓示を受けた預言者とみなす。知識人たちのなかには、科学の才能を発揮して、呪術的な力を減少させる者たちがおり、北方人たちは呪術を信用しない。ウォーロックは、自分たちを半神と考えている。フューリーたちも似たようなものだ。
 あらゆるメイジたちが、それぞれの方法で独自の力を得るようにみえる。

 

質問者:メイジたちが利用するものは、小規模であることをのぞけば、全父が利用したものと同じだろうか。

 

メリディアン:全父の力は絶大だ。かれは宇宙のコード(※5)を書いた。メイジたちは、バグ(※6)とチートコード(※7)の利用方法を知っている、賢くて利発な人びとだ。

 

質問者:プリーストの物語およびチャネラーの物語で言及された、元素霊主とは何者なのか。

 

メリディアン:元素霊主とは、ほんとうに強力な力をもつ元素霊たちのことだ。

 

質問者:アエアインスには、五つの元素が存在しているけれど、冥界の全体にもそれらはあるのかな。メイジたちの視点で見た冥界は、どのようなものなのだろうか。

 

メリディアン:諸元素は、歌布をなす諸糸により拡張されたが、冥界にまでは広がっていない。冥界は地界の枠外にある。冥界の諸部分はとても暗く、別の諸部分は混沌で満ちている。冥界とは、神がみと悪魔たちの来訪元である、ほんとうに恐ろしい場所だ。

 

固有名詞一覧

 

《あ》:アエアインス(Aerynth)、悪疫呪詛(Blood Curse)、悪魔(Demon)、アニメイション術(Animating)、アルダン国(Ardan)、アルメウス〔若古老〕(Almeus the Young)
い:イレケイ(Irekei)
《う》:ウィザード(Wizards)、ウィザードリー術(Wizardry)、ウォーロック(Warlocks)、歌布(Tapestry)、宇宙(Universe
《え》:エルフ(Elf)

 

《か》:神(God)、カンブリュワン(Cambruin)
《き》:教会(Church)
《け》:元素(Element)、元素霊(Elemental)、元素霊主(Elemental Hierarchs)
《こ》:コンジュリング術(Conjuring)、混沌(Chaos)

 

《さ》:災禍戦役(War of the Scourge)、ザエリスタン(Zaeristan)、サモニング術(Summoning)
《し》:シャドウベイン(Shadowbane)、呪術結社(Conclave)、女人族(Amazon
《せ》:全父(All-Father)

 

《た》:大王国(High Kingdom)、大図書館(Great Library)
《ち》:父教会(Holy Church)、チャネラー(Channeler)
《て》:天使(Archon)、天変地異(Turning)
《と》:ドルイド(Druid)

 

《ひ》:火教会(Temple)、ヒト(Man)
《ふ》:フューリー(Fury)、プリースト(Priest)
《ほ》:北方人(Northman)

 

《ま》:魔界(Chaos)
《み》:ミノタウロス(Minotaur)
《む》:無名人祖(Nameless Titan)
《め》:冥界(Void)、メイジ(Mage)

 

《ゆ》:勇士(Champion)

 

訳注

 

※1:『危険な関係』(きけんなかんけい、Les Liaisons dangereuses)は、1782年にフランスの作家コデルロス・ド・ラクロによって書かれた書簡体小説。18世紀後半のフランス貴族社会を舞台に、貴族社会の道徳的退廃と風紀の紊乱を往復書簡という形で活写した。なお、ラクロの本職は職業軍人であり、恋の駆け引きの描写は本格的な(軍事的な意味での)心理戦の域にまで達していると評される。1988年にアメリカで映画化された。
※2:マイケル・ジョン・ムアコック(Michael John Moorcock, 1939年12月18日 - )は、イギリスのファンタジー作家、SF作家、編集者。1960年代に『ニュー・ワールズ』誌の編集長として、SFのニューウェーブ運動に大きな影響を与えた。
※3:イギリスの作家マイケル・ムアコックが創造したファンタジー小説シリーズ。
※4:主人公、メルニボネのエルリックの出身国。メルニボネは1万年の間、魔術と武力によって世界を支配し続けていた。しかしエルリックが生まれた頃には、すでにその覇権は衰え、数多くの国家の一つにすぎなくなっていた。彼ら(メルニボネ人)の行動は伝統、それから快楽と新奇な感覚への探求心によって決められる。“猫の王”ミーアクラアは、イムルイル(メルニボネの首都)の民の性質は、その洗練と冷酷や快楽への愛から、猫に似ていると評した。奴隷や捕虜の拷問は一般的な楽しみである。メルニボネ人の異質さはその美的感覚にもあらわれている。彼らは多彩な色合いと、華麗で歪な装飾と建築を好む。
※5:コンピュータプログラミング言語で書かれた、コンピュータプログラムである文字列(テキストないしテキストファイル)のこと。
※6:英語で「虫」の意であり、転じてコンピュータプログラムの誤りや欠陥を表す。
※7:広義にはコンピュータゲームにおいて本来とは異なる動作をさせる行為である。

 

参考資料

 

ウィキペディア(日本語版)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8


付録

 

映画版、危険な関係の予告映像:


Dangerous Liaisons (1988) Official Trailer - Glenn Close, John Malkovich Movie HD

 

コミック版、エターナル・チャンピオンシリーズ、エルリック1巻、ルビースローンの予告映像:


Elric Vol. 1: The Ruby Throne