シャドウベインの背景世界

惜しくもサービスが停止されたオンラインRPG、Shadowbaneに関する世界設定の翻訳

ヒトの形質

f:id:AzuhikoDaidaiboshi:20160704021332j:plain

 世界人類のなかで、ヒトは、もっとも多様性に満ちた種族である。エルフの諸民族がもつ特徴は、外部の人びとにかろうじて識別され、ドワーフたちの形質には、奇妙なほど違いがみられない。その一方、慎重でない学者たちが、人の子をひとつの種族ではなく、五つの種族に区別することもあった。
〈典型的〉といえるヒトの像はなく、雪のように白い北方人をはじめ、真っ黒な肌をもつ、イリュドヌ人まで存在する。このことからも、ヒトの多様性が、広範囲におよぶことがわかる。学者たちは、ヒトを六つの民族に分類したが、歴史の流れは、彼らの境界をあいまいにした。

 

・エテュリアー人:
 エテュリアー人はヒトの諸民族で、もっとも強大な勢力である。彼らの肌は白く、毛髪の色は、濃い茶色から黒色にまでおよぶ。エテュリアー人の氏族長たちが最初の王になり、十王国を創設した。のちに、それらの王国を統一した人物が、カンブリュワン王である。
 エテュリアー人の腕力と知力は、ヒトのなかで、もっとも秀でているとはいえない。しかし彼らは、地界の歴史に、とても大きな痕跡を残した。天変地異により、エテュリアー人の勢力は分裂したが、現代の地界においてさえも、諸小国の彼らは最大の勢力である。

 

・インヴォア人:
 長身で屈強な北方人は、エテュリアー人よりも白い肌をもっており、その明るさはエルフにならぶ。インヴォア人がもつ髪の色は、明るい金か、燃えるような赤である。
  バーバリアンは恐れられているが、未開人と呼ばれてののしられもする。北方人は読み書きがほとんどできず、歴史と宗教に詳しくないからである。しかし、彼らは先祖を大いに誇り、自分たちだけをティーターンたちの後継者とみなし、正統人を自称する。

 

・イリュドヌ人:
 北方人とは対照的に、南方の砂漠智者たちがもつ肌の色は、暗い茶色から黒色にまでおよぶ。灼熱砂漠に住むイレケイだけが、イリュドヌ人よりも、肌が黒いといえるだろう。
 天変地異がおきるまえ、イリュドヌ人は、自分たちの内面を思索することで、人間性の本質に到達したといわれている。イリュドヌ人の知性は、ヒトのなかでもっとも秀でており、彼らの血液に宿る呪力は、エルフにならぶほど強く流れている。

 

・グウェンダネン人:
 高地の頑強な人びと、グウェンダネン人は、日に焼けた肌と暗い色の髪をもつ。北方人と十王国のヒトから、立てつづけに攻撃を受けたことで、グウェンダネン人の人口は減少した。彼ら高地人のあいだでは、今も古来宗教が信仰されているといわれている。グウェンダネン人はドルイドたちともに、森の奥で、ティーターンたちを崇めているのかもしれない。

 

・タリポントル人:
 諸自由都市を拠点とする、欲ぶかいタリポントル人は、頭の回転が速いだけでなく、俊敏に動くことも得意である。彼らは、太陽の光で焼けて茶色くなった肌と、暗い色のちぢれた髪をもっている。
  貫徹に物事を実行するタリポントル人は、情熱的な性格をもっており、その激しさは戦争にも向けられる。タリポントル人の職人たちは、地界でもっとも秀でている。さらに彼らは、優秀な船乗りでもある。もしも、タリポントル人が彼ら同士で争っていなければ、諸小国さえも脅威にさらされるだろう。

 

 おぼろげな伝承のなかには、ヒトがもつ七番目の民族として、アノマニ人と呼ばれる漂泊者たちがいる。アノマニ人についてはほとんど知られていないが、彼らは暗い色の肌をもっており、性格は陽気であるといわれている。アノマニ人は、遠い昔に絶滅したと考えられたため、智者たちは彼らのことを、失われし民族と名づけた。
 伝説によれば、ヒトは悠久の時代に、七つの王国をもっていたという。そこで暮らしていた、アーダン人と呼ばれる人祖たちは、心身ともに完璧な人びとだった。ティーターンとして生きていたアーダン人たちは、工芸と戦争ならびに、呪術にも熟達していた。
 しかし彼らティーターンたちは、遠い昔に、エルフによって滅ぼされたという。現代におけるアーダン人の後継者たちは、人の子であるが、祖先の作りだした栄光は、歴史のなかで薄れていった。

 

 歴史学者たちと伝承学者たちは、ヒトの偉大さについて、長いあいだ論争をおこなってきた。人の子は地界において、もっとも力が強いわけではなく、もっとも頭が良いわけでもなく、もっとも頑丈なわけでもない。それでも彼らは、もっとも厳しい環境で生き残り、すべての種族に対して、戦争をしてきた。
 人の子は、天変地異のまえでは寿命が短かったが、世界人類のなかで、もっとも人口を増加させた。災難のあと、他の種族より早く復興したのも、ヒトであった。ヒトは世界人類のなかで、もっとも優れた種族ではないかもしれないが、もっとも弱く愚かとも、もっとも邪悪ともいえない。ほとんどの種族は、ヒトより秀でた部分をひとつはもつが、それ以外の部分では、ヒトよりも劣っている。
 プレレイトたちによると、ヒトとは、もし肉体でないのなら不変の魂であり、他の種族よりも、肉体と霊魂の均整がとれている。錬金術師の仮説によれば、ヒトが血液中にもつ諸成分は、完璧な均整がとれているそうだ。無学な者たちは、人の子は、全父がもった本当の子供だから、彼の手と心象により、たくさん作られたと考える。そして、ヒトは全父に、地界の統治を委任されたと主張している。いずれにせよ、ヒトを上まわる種族は、いないといえるかもしれない。

 

固有名詞一覧

 

《あ》:アーダン人(Ardani)、アノマニ人(Anomani)
《い》:イリュドヌ人(Irydni)、インヴォア人(Invorr)
《う》:失われし民族(Lost Men)
《え》:エテュリアー人(Ethyreans)、エルフ(Elvish)

 

《か》:カンブリュワン(Cambruin)
《き》:丘陵(Hills)
《く》:グウェンダネン人(Gwendannen)
《こ》:高地(Hills)、高地人(Hill Folk)、古来宗教(Old Ways)

 

《さ》:砂漠智者(Dark Sages)
《し》:氏族長(Chieftains)、灼熱砂漠(Burning Lands)、十王国(Ten Kingdoms)、小国(Petty Kingdoms)、自由都市(Free Cities)、人祖(First Men)
《せ》:正統人(High Men)、世界人類(Children of the World)、全父(All-Father)

 

《た》:大草原(Great Steppes)、太陽(Sun)、タリポントル人(Taripontor)
《ち》:地界(World)、智者(Sages)
《て》:ティーターン(Titans)、伝承学者(Loremasters)、天変地異(Turning)
《と》:ドルイド(Druids)、ドワーフ(Dwarves)

 

《な》:南方(South)
《に》:人間性(Humanity)

 

《は》:バーバリアン(Barbarians)
《ひ》:ヒト(Humans)、人の子(Sons of Men)
《ふ》:プレレイト(Prelates)
《ほ》:ホーワシ人(Horwathi)、北方人(Northman)

 

《れ》:歴史学者(Scholars)、錬金術師(Alchemists)