Kane the Nightstalker (ケイン［夜警］)

　そこのおまえ。暗影に対して、抱擁と戦闘のどちらを目的に来た。シェイドやヴァンパイアと話す気はないが、他の者たちなら誰でも歓迎だ。おれの兄弟たちは、まだこの土地で合流できない。だから、実現のときまで、戦闘の負荷はおまえにかかる。
　冥后の諸軍隊が増大している。もしも、生者たちが諸軍隊を撃退できなければ、冥界門が開いて、世界が侵略されるだろう。何を待っているのだ。すぐに行き、呼吸ができないこの荒廃した土地で、全部を破壊しろ。

あなたは誰ですか。

　おれはナイトストーカーだ。おれたちについて聞いたことがあるようだな。おれの兄弟たちは仕事で成果を上げた。アルダン王が、ヒトがもった最初の王国を統治したときに、おれは生まれた。そして、おれの技術は、最初のヴァンパイア狩りであるコルシャクから、学んだものだ。
　昔のおれは、アルダン王の諸軍団に属する、忠実な戦士だった。おれは、暗影戦争のことをよく覚えている。同戦争で、ヴァンパイアたち、ならびに、かれらが養育した奴隷たちが、おれがもった戦友たちの全員を惨殺した。おれは、コルシャクの新しい団体に参加し、鋼と杭ならびに火で、闇夜族を打破する方法を学んだ。

　おれは、コルシャクが選んだ一二人の内の一人だ。おれたちは、亡者の諸軍団が再起したばあいに、かれらとまた戦うために、長期睡眠に入ることにしたのだ。そして、目ざめるべき時が来た。おれは、おれとおれの兄弟たちが眠りに落ちてからおきた、数千年における全部の出来事について、聞いた。
　おまえたちは世界を台なしにした。それでも、物事を正す時間はある。武器を抜いて、俗悪な者たちと戦うのだ。行け。そして、闇を恐れるな。

あなたの兄弟たちは誰ですか。

　おれが属する団体は、暗影戦争の最中に生まれた。それは、静止しない死者たちが、諸軍団として初めて起きあがり、アルダン領国を脅かしたときのことだ。
　おれたちは、心をもたないゾンビ、ならびに、骨だけの姿をもつ怪物の、両者たちが属する諸軍勢と戦った。さらに、敵は、かれらの主人を務めた、邪悪な怪物たちにまでおよんだ。ティーターンたちに先導されながら、おれたちは亡者の諸軍団を撃破し、ヴァンパイアである将官たちを殺害した。さらに、冥界をアエアインスへ引き寄せた、ネクロマンサーの黒い教団を粉砕した。
　おれたちの主人であるコルシャクは悩み、影が、いつの日にかふたたび落ちることを恐れた。

　十三人目人祖は解決策をもっていた。このティーターンは、コルシャクおよび一二人のナイトストーカーたちを、呪術的な寝床へ設置した。その眠りは、虚無が当時のような攻撃を再開するときまで、つづいた。おれたちには一晩に思えたが、三千年いじょうもすぎていた。
　目が覚めたときに、おれたちは、この島、ならびに、同地を支配している冥后について、知ることを恐れた。コルシャクは、敵へ直接に攻撃するのではなく、学習を希望する者たちの全員へ、諸秘奥を教えることを、おれたちへ命じた。そのようにして、おれたちがもった往古の団体を、復活させようとしたのだ。おれの仲間たちを複数の安全拠点で探せ。おまえに資質があれば、かれらは教えるだろう。
　おれには、敵たちの動向を監視する任務が与えられた。俗悪な者たちが冥界門を開けようとしたばあいに、コルシャクならびに他の成員たちを、招集するためだ。

冥界門とは何ですか。

　暗い答えをともなう、簡単な質問だな。この痩地で北西側の端へ行き、実際に見てみろ。暗影戦争の終結が近いときに、宇宙の構造を破壊して、冥界への出入口を開こうとした者がいた。かれの名前は、極悪な術者として、ネクロマンシー術を発明した者たちの一人である、アエマルスだ。アエマルスの努力は失敗に終わった。しかし、かれが作成した経路によって、この領域の全体を、数世紀後に冥界へ接近させることが、可能になった。
　現在では、怪物たちがふたたび懸命に働いている。怪物たちは第二の門を建てたので、同建造物への付呪を目的とする仕事をしている。怪物たちの暗い諸機械は、拷問用である複数の穴倉から放出した、諸魂を集めて、冥界門じたいへ活力を送信する。十分な犠牲者を出したときに、怪物たちは門を開き、冥界の冷たい息が、すべての生物を殺害するだろう。
　だが、おれたちにはまだ希望がある。冥界門へ供給される諸活力と、虚無の手先たちを補充する力は、同じものだ。手先たちを殺せ。おれたちに殺される骸骨たちは、破滅の時を遅らせる。戦いの準備をしろ。