すべての時代と土地には揺るぎない真理がある。それは、建てられたものは壊れるということだ。時間の経過によらなければ、人の手が壊すことになる。アルダン国の宮殿、聖都、そして、カンブリュワン王の本拠地ことメリッサル市まで。それらすべてでさえも、形を永遠に保つことはできない。とはいえ、シティを滅ぼすことが簡単とはいえない。
どんなばかでも、槌で城壁をたたくことができる。だが、戦争では城壁を短時間で壊すための、兵器が必要になる。指揮を担当者に命じるか、あるいは黄金の指揮棒があれば、兵器を運用できる。さらに、兵器を敵から守るための、兵士たちも用意すべきだ。そして、戦局を変えるために兵器を作用させろ。
おれが何を言いたいのかわかるか。知識をもたない者たちが運用すれば、攻城兵器といえど、ただの扱いにくい槌にすぎない。だが、芸術家が槌を持てば、かれらは驚異的な仕事をおこない、大理石の塊に命を与えたり、鉄を見事な武器に変化させる。戦闘において、兵器は槌のようなものといえる。そして、おれは芸術家だ。アーティレリストであるおれにとって、壊れた城壁と煙を上げる廃墟は、まさに作品だ。
トゥーリン神の子たちは、昔から石の加工方法を熟知しており、歯車と滑車の仕組みにも精通していた。始めに、トゥーリン神の子たちが学んだものがいくつもある。機械弓における、矢の装填速度を向上させる設計と、敵の刃と呪術を防ぐ防塁の作成だ。
最初のアーティレリストたちは全員がドワーフだったが、現代では、多くの人びとがその技術をもっている。おれはすべての妙技を実践できるし、損傷を受けて燃えている兵器を修理できる。これらはとてつもない技術だ。おまえはすべてを覚えられるか。そうでなければ、頭の良い奴を送ってこい。技術を発揮すればおまえの陣営は感謝し、敵は震えあがるだろう。
用語一覧
《あ》:アーティレリスト(Artillerist)、アルダン国(Ardan)
《か》:カンブリュワン(Cambruin)
《こ》:攻城兵器(Siege Engine)
《し》:時間(Time)、時代(Age)、シティ(City)
《せ》:聖都(Holy City)
《と》:トゥーリン神の子(Sons of Thurin)、ドワーフ(Dwarf)
《ほ》:防塁(Bulwark)
《め》:メリッサル市(Mellissar)