灼熱地域におけるイレケイの社会は、王国もしくは領土として組織化している、大多数の種族とは異なる。イレケイは、遊牧的な集団として、多数のヴィーラクトゥアルに分かれている。そして、かれらは、食料および略奪品を探しながら、荒地を放浪しているのである。
妖鬼集団ことヴィーラクトゥの全部が、婚姻および古い誓約にもとづいて拡大された、複数の家族集団により成立している。ウォーリアーもしくは狩人として有能な者たちは、ヴィーラクトゥを先導する。かれらがもつ絶対的な権力は、各家族から一名ずつ選出された、評議会の助言者たちにより調整される。ウィザードが、ウォーリアーの代わりに、ヴィーラクトゥアルを先導することもあるが、そのような事例は極めて少ない。
ヴィーラクトゥにおける成員どうしの結束は、非常に強い。したがって、部族への裏切りを考えたイレケイは、実行の前に死亡させられる。しかし、ヴィーラクトゥアルの成員たちが、配慮的な死刑を受けることは少ない。部族どうしの抗争は、緑色地域における、流水人と呼ばれる者たちとの対立と比べれば、残忍性は低い。
ヴィーラクトゥアルの政治は、外部の人びとを困惑させるばあいがある。数日まえまで同盟していた修羅たちが、急に敵対することがある。その一方で、対立していた者たちどうしが、新しい敵と戦うために、急に手を結ぶこともある。
用語一覧
《い》:イレケイ(Irekei)
《う》:ヴィーラクトゥ(Virakt)、ヴィーラクトゥアル(Virakt'al)、ウィザード(Wizard)、ウォーリアー(Warrior)
《し》:灼熱地域(Burning Land)、修羅(Devil Man)
《よ》:妖鬼集団(Virakt)
《り》:流水人(Rain Bleeder)、緑色地域(Greenland)