シャドウベインの背景世界

MMORPG、Shadowbaneがもつ舞台設定の翻訳

Channeler Narrative (チャネラーの体験記)

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 四種の素材的要素が存在し、地界における現在と過去および未来に生成しうる万物が、それらの結合と構成によって生成されることを覚えよ。我われは火が生命を燃え上がらせ、燃え尽きさせたのちに、空から雨が降るのを見る。それゆえに、質量と働きは虚空から断続的に生じるかあるいは、虚空へ戻るように思える。だがしかし、この認識は誤りであり全元素の量は天地創造の瞬間に確定されたのであり、諸元素の総量は決して変化しない。
 白夜時代におけるエルフのウィザードたちは、元素の働きを循環させる経路こと力線の性質を発見し、諸元素の流動を識別した。各種の諸元素が或る場所に現れると、同量の元素が別の場所で消滅し、力線を経由して実体化の場所へ牽引される。このようにして水が空に運ばれて雨に成ることができるのであり、海はその水平を保つことができるのである。連続的で不変な元素運動の過程は、元祖詩聖ガルロリアン・インドリアルレによって、『広大な車輪の終わりなき回転あるいは、自分の尾を貪り食う蛇の動き』と表現された。

 

 下記に示す四種の元素における性質と関係性を覚えよ。

 

 土:安定性および永続性の元素である。不屈と硬度や耐久性と長寿を得るためには、土に注視せよ。土チャネラーは、上記の諸性質のいずれかを、生物および非生物において養うことができる。土の働きの流れを対象へ向けたり、あるいは遠ざけることによって、対象の改良や修復ならびに硬化や軟化や瓦解、さらには基本構成を変えて、木を鉄に変えたり鉄を砂に変えることができる。
 保護や健康および財産も土と関連している。土の呪術を使えば、畑はより肥沃になるかもしれず、金は地界の表面ちかくに引き寄せられるかもしれず、壁は無敵の防壁へ変わるかもしれない。土の利用に熟達した術者たちは、自分じしんや敵を石に変えられるうえに、固い物体を通り抜けたり、地面の深くに沈むことができるといわれている。

 

 風:土とは対照的な風は無形であり、思考と発想および想像を具現している。つまり、芸術作品は、風の流動から力を得ているのである。自分じしんおよび他人へ向かう風の流動を操作することで、風チャネラーは、未知の文字と未知の言語を理解したり、さらに多くのことを学べる。
 風は視覚の媒体でもあり、風の呪術は、過去のものや遠い現在の場所や未来について、それらを占うための鍵を握っている。旅行と伝達も風の領域であり、熟練者は目の瞬きで世界中に言葉を送り、思考するだけで遠くの場所へ自分を転送したり、風に乗って鷲のように飛ぶこともできる。

 

 水:生命において最も重要な要素である水は、健康や治癒および感情と関連する。水チャネラーは、水を呼びだすことや生物から水を吸い上げたりすることができ、生物に大きな損傷あたえる。他にも、生物を落ち着かせたり、寝かしつけたり、怒りに追い込むこともできる。
 水の中では映像がゆがむので、水の呪術は諸事物の性質や外見を覆い隠したり、形のない幻想や蜃気楼を作ることにも応用できる。熟練したチャネラーは、どのような液体でも空気と同じように簡単に吸い込むことができ、自分じしんの体質を液体に変えることで、刃物で切りつけられても平気となり、非常に狭い隙間を通り抜けることもできる。

 

 火:水が生命をもたらす場所に、同元素とは反対に、火は死をもたらす。破壊と変化が火の本質である。火の呪文は、戦士たちの怒りに油を注いだり、あるいは、火の矢で敵に損傷を与えることにより、戦いに勝利をもたらす。
 火チャネラーは、熱や炎に対する抵抗力を強化できるうえに、かれらが火を呼べることと同様に、火を容易に消すこともできる。その反対に、熟練したチャネラーは、心配することなく寒さに耐えられるうえに、敵を撃破するために自分を炎で覆うこともできる。火の扱い方を極めたチャネラーは、同元素の恐ろしい力を自分の意志に向けることで、炎を操作して形を作ることができる。
 残念なことに、悲惨な現代では、あまりにも多くのチャネラーが火道に引き寄せられている。

 

智者コルレラム・ジョカスティン著『元素諸力の秘奥およびチャネラー技芸の開示』より引用

 

用語一覧

 

《う》:ウィザード(Wizard)
《え》:エルフ(Elf)

 

《か》:風(Air)、風チャネラーAir Channeler)、ガルロリアン・インドリアルレ〔元祖詩聖〕(Gallorian Yndrialle the First Channeler)
《き》:技芸(Art)
《け》:元素(Element)
《こ》:コルレラム・ジョカスティン(Colleram Jocastin)

 

《ち》:地界(World)、智者(Magus)、チャネラー(Channeler)

 

《つ》:土(Earth)、土チャネラー(Earth Channeler)
《て》:天地創造(Creation)

 

《は》:白夜時代(Age of Twilight)
《ひ》:火(Fire)、火チャネラー(Fire Channeler)、火道(Path of Fire)

 

《み》:水(Water)、水チャネラー(Water Channeler)

 

《り》:力線(Ley Line)