シャドウベインの背景世界

惜しくもサービスが停止されたオンラインRPG、Shadowbaneに関する世界設定の翻訳

ヒトの有様(Humans: Their People)

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 世界人類のなかで、ヒトは、最も多様性に満ちた種族である。エルフの諸民族がもつ特徴は、外部の人びとにかろうじて識別され、ドワーフたちの形質には、奇妙なほど違いがみられない。その一方、慎重でない学者たちが、人の子をひとつの種族ではなく、五つの種族に区別することもあった。
〈典型的〉といえるヒトの像はなく、雪のように白い北方人をはじめ、真っ黒な肌をもつ、イリュドヌ人まで存在する。このことからも、ヒトの多様性が、広範囲におよぶことがわかる。学者たちは、ヒトを六つの民族に分類したが、歴史の流れは、かれらの境界をあいまいにした。

 

・エテュリ人:
 エテュリ人はヒトの諸民族で、最も強大な勢力である。かれらの肌は白く、毛髪の色は、濃い茶色から黒色にまでおよぶ。エテュリ人の氏族長たちが最初の王になり、十王国を創設した。のちに、それらの王国を統一した人物が、カンブリュワン王である。
 エテュリ人の腕力と知力は、ヒトのなかで、最も秀でているとはいえない。しかしかれらは、地界の歴史に、とても大きな痕跡を残した。天変地異により、エテュリ人の勢力は分裂したが、現代の地界においてさえも、諸小王国のかれらは最大の勢力である。

 

・インヴォア人:
 長身で屈強な北方人は、エテュリ人よりも白い肌をもっており、その明るさはエルフにならぶ。インヴォア人がもつ髪の色は、明るい金か、燃えるような赤である。
 バーバリアンは恐れられているが、未開人と呼ばれてののしられもする。北方人は読み書きがほとんどできず、歴史と宗教に詳しくないからである。しかし、かれらは先祖を大いに誇り、自分たちだけをティーターンたちの後継者とみなし、正統人を自称する。

 

・イリュドヌ人:
 北方人とは対照的に、南方の黒肌智者たちがもつ肌の色は、暗い茶色から黒色にまでおよぶ。灼熱砂漠に住むイレケイだけが、イリュドヌ人よりも、肌が黒いといえるだろう。
 天変地異がおきるまえ、イリュドヌ人は、自分たちの内面を思索することで、人間性の本質に到達したといわれている。イリュドヌ人の知性は、ヒトのなかで最も秀でており、かれらの血液に宿る呪力は、エルフにならぶほど強く流れている。

 

・ホルワシ人:
 大草原で暮らす未開の諸氏族、ホルワシ人は細身で背が低く、黒い髪とはちみつ色の肌をもっている。北方人にならぶ巨体をもつホルワシ人は、ほとんどいない。しかし、それにもかかわらず、大半のヒトが、北方人よりもホルワシ人のほうが、さらに凶暴だとみなしている。
 ホルワシ人は、他の人びとよりも多く生き残った。噂によると、草原地帯をこえた先には、ホルワシ人の築いた、絹と呪術で知られる、巨大な帝国があるという。しかし天変地異がおきたことにより、帝国につづく道はすべて失われてしまった。

 

・グウェンダネン人:
 高地の頑強な人びと、グウェンダネン人は、日に焼けた肌と暗い色の髪をもつ。北方人と十王国のヒトから、立てつづけに攻撃を受けたことで、グウェンダネン人の人口は減少した。かれら高地人のあいだでは、今も古伝統が信仰されているといわれている。グウェンダネン人はドルイドたちともに、森の奥で、ティーターンたちを崇めているのかもしれない。

 

・タリポントル人:
 諸自由都市を拠点とする、欲ぶかいタリポントル人は、頭の回転が速いだけでなく、俊敏に動くことも得意である。かれらは、太陽の光で焼けて茶色くなった肌と、暗い色のちぢれた髪をもっている。
 貫徹に物事を実行するタリポントル人は、情熱的な性格をもっており、その激しさは戦争にも向けられる。タリポントル人の職人たちは、地界で最も秀でている。さらにかれらは、優秀な船乗りでもある。もしも、タリポントル人がかれら同士で争っていなければ、諸卑小王国さえも脅威にさらされるだろう。

 

 おぼろげな伝承のなかには、ヒトがもつ七番目の民族として、アノマニ人と呼ばれる漂泊者たちがいる。アノマニ人についてはほとんど知られていないが、かれらは暗い色の肌をもっており、性格は陽気であるといわれている。アノマニ人は、遠い昔に絶滅したと考えられたため、智者たちはかれらのことを、失われし民族と名づけた。
 伝説によれば、ヒトは悠久の時代に、七つの王国をもっていたという。そこで暮らしていた、アルダン人と呼ばれる人祖たちは、心身ともに完璧な人びとだった。ティーターンとして生きていたアルダン人たちは、工芸と戦争ならびに、呪術にも熟達していた。
 しかしかれらティーターンたちは、遠い昔に、エルフによって滅ぼされたという。現代におけるアルダン人の後継者たちは、人の子であるが、祖先の作りだした栄光は、歴史のなかで薄れていった。

 

 学者たちと識者たちは、ヒトの偉大さについて、長いあいだ論争をおこなってきた。人の子は地界において、最も力が強いわけではなく、最も頭が良いわけでもなく、最も頑丈なわけでもない。それでもかれらは、最も厳しい環境で生き残り、すべての種族に対して、戦争をしてきた。
 人の子は、天変地異のまえでは寿命が短かったが、世界人類のなかで、最も人口を増加させた。災難のあと、他の種族より早く復興したのも、ヒトであった。ヒトは世界人類のなかで、最も優れた種族ではないかもしれないが、最も弱く愚かとも、最も邪悪ともいえない。ほとんどの種族は、ヒトより秀でた部分をひとつはもつが、それ以外の部分では、ヒトよりも劣っている。
 プレレイトたちによると、ヒトとは、もし肉体でないのなら不変の魂であり、他の種族よりも、肉体と霊魂の均整がとれている。錬金術師の仮説によれば、ヒトが血液中にもつ諸成分は、完璧な均整がとれているそうだ。無学な者たちは、人の子は、全父がもった本当の子供だから、かれの手と心象により、たくさん作られたと考える。そして、ヒトは全父に、地界の統治を委任されたと主張している。いずれにせよ、ヒトを上まわる種族は、いないといえるかもしれない。

 

用語一覧

 

《あ》:アルダン人(Ardani)、アノマニ人(Anomani)
《い》:イリュドヌ人(Irydnu)、インヴォア人(Invorr)
《え》:エテュリ人(Ethyri)、エルフ(Elf)

 

《か》:学者(Scholar)、カンブリュワン(Cambruin)
《く》:グウェンダネン人(Gwendannen)、黒肌智者(Dark Sage)
《こ》:高地(Hill)、高地人(Hill Folk)、古伝統(Old Way)

 

《し》:識者(Loremaster)、氏族長(Chieftain)、灼熱砂漠(Burning Land)、十王国(Ten Kingdoms)、自由都市(Free City)、小王国(Petty Kingdom)、消滅民族(Lost Men)、人祖(First Man)
《せ》:正統人(High Men)、世界人類(Children of the World)、全父(All-Father)

 

《た》:大草原(Great Steppe)、太陽(Sun)、タリポントル人(Taripontor)
《ち》:地界(World)、智者(Sage)
《て》:ティーターン(Titan)、天変地異(Turning)
《と》:ドルイド(Druid)、ドワーフ(Dwarf)

 

《な》:南方(South)
《に》:人間性(Humanity)

 

《は》:バーバリアン(Barbarian)
《ひ》:ヒト(Human)、人の子(Son of Men)
《ふ》:プレレイト(Prelate)
《ほ》:北方人(Northman)、ホルワシ人(Horwathi)

 

《れ》:錬金術師(Alchemist)