シャドウベインの背景世界

MMORPG、Shadowbaneがもつ舞台設定の翻訳

Classの源泉:インドのカースト制度における人間分類 (Class Source: Human Categorization in Indian Caste System)

序論

 筆者は,SBにおけるClass(筆者訳:階層)の源泉を,テーブルトークRPGである,オリジナル・ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下D&D)のサプリメント1:グレイホーク(西暦1975年),ならびに,古代インド(西暦紀元前2世紀ごろ)のカースト制度における,人間分類と結論づけました.本稿の目的は,三者がもつ構造の共通性を明らかにすることです.

 

 SBの開発初期(西暦1999年)におけるClassの数は,ベータ版および正式サービス(西暦2000年)における,Fighter,Healer,Mage,Rogueの4種とは異なり,後にProfessionおよびDisciplineとして細分化または改名された,Channeler, Warlock, Sorcerer, Archprelate, Summoner, Witch, Bladeweaver, Wizardの 八つでした(※1).後者の重要性は低いので,本稿では取り扱いません.

 

 これら四種のClassは,ウィザードリィ(西暦1981年9月)とウルティマ(西暦1981年6月)をはじめ,西洋のさまざまなコンピューターRPGにも登場します.しかし,初出はオリジナルD&Dのサプリメント1(西暦1975年)です.したがって,本稿はSBのClassに対してだけでなく,D&Dのものに向ける考察でもあります.

ダンジョンズ&ドラゴンズとの比較

オリジナルD&Dの表紙(西暦1974年)

 

 ダンジョンズ&ドラゴンズは,ゲイリー・ガイギャックス(Gary Gygax)氏とデイヴ・アーンソン(Dave Arneson)氏が設計し,アメリカ合衆国のTactical Studies Rules(後にTSR, Inc.に改名)社によって,1974年に制作および販売された,テーブルトークRPGです.
 テーブルトークRPGとは,ゲーム機などのコンピュータを使わずに,紙や鉛筆,サイコロなどの道具を用いて,人間同士の会話とルールブックに記載されたルールに従って遊ぶ,対話型のロールプレイングゲームです.

 

 オリジナルD&D(西暦1974年)では,Fighting-Man,Magic-User,Clericの3種があり,サプリメント1:グレイホーク(西暦1975年)ではThiefが追加され,ベーシックセット(西暦1977年)では,Fighting-ManがFighterに改名されたうえで,4種についての説明文が同時に掲載されました.

 

 下記は,D&Dベーシックセットにおける1981年改訂版からの引用であり,TSR社の従業員であるトム・モルドヴェイ氏によって執筆された,各Classの簡潔なまとめです.

 

D&Dベーシックセットの1981年改訂版(Dungeons & Dragons Basic Set 1981 revision)

 

CLERICS 
Clerics are humans who have dedicated themselves to the service of a god or goddess. They are trained in fighting and casting spells. 
 Clericは,神または女神への奉仕に,かれら自身を献納してきたhumanです.かれらは,対戦ならびに呪文の詠唱において訓練されています.

 

FIGHTERS 
Fighters are humans who have train for battle. It is their job to fight monsters and to protect the weaker members of a party. Great heroes such as Hercules were fighters. 
 Fighterは戦闘の訓練をしたhumanです.怪物と戦い,党の弱い成員を保護するのがかれらの仕事です.ヘラクレスのような壮大な英雄たちはFighterでした.

 

MAGIC-USERS 
Magic-users are humans who, through study and practice, have learned how to cast magic spells. Merlin the Magician was a famous magic-user. 
 Magic-userは,学究ならびに応用を経由し,呪術的な綴字を投射する手順を学んだhumanです.呪術師マーリンは有名なMagic-userでした.

 

THIEVES 
Thieves are humans who are trained in the arts of stealing and sneaking. They are the only characters who can open locks and find traps without using magic to do so. Due to these abilities, a thief is often found in a normal group of adventurers. As their name indicates, however, they do steal – sometimes from members of their own party. 
 Thiefは,掏り取りおよび潜行における,複数の技芸を訓練をされたhumanです.呪術の使用を伴わずに,鍵を開けられたり罠を見つけられるキャラクターは,かれらだけです.これらの能力が原因で,Thiefは,冒険者の標準的な集団でしばしば見つけられます.かれらの名前が指し示しているとはいえ,かれらは掏り取ります――時には,かれら独自の党における成員から.

 

 下記は,Shadowbaneにおける公式サイトからの引用です.

 

シャドウベイン(Shadowbane)

 

Healer: 
Many simple healers go on to devote themselves to one of the Great Faiths, pledging their life and efforts to advance the causes of their chosen path, and are rewarded with even greater powers and miracles. 
 多くの単純なhealerたちは,Great Faithにおける一つへの献身に進み,選んだ進路における根拠を進歩させるために,かれらの人生および努力を確約して,一段と壮大な力および奇跡で報われます.

出典:The Healer's Way: The Path of Faith 

 

Fighter: 
Whether they fight for a cause, for glory, or for the simple love of slaughter, they fight. 
 根拠のため,栄光のため,または,殺戮への単純な愛のためであろうとなかろうと,かれらは戦います.

出典:The Fighter's Way: The Path of Might 

 

Mage: 
Knowing the nature of fire and its origins allows a mage to call fire to himself, or protect himself from a flame's capacity for harm.
 火の性質とその起源を知ることは,mageに,かれ自身へ火を呼ぶことを,または,加害となる炎の補足から,かれ自身を保護するのを許します.

出典:The Mage's Way: The Path of Lore 

 

Rogue
If a rogue needs food and shelter or wants wealth, they take it. Stealth and cunning are essential to their very survival, and so all rogues become adept at hiding from their enemies and making their way unseen and unheard. 
 rogueが,食物と避難所または財産を欲するなら,かれらはそれを取ります.隠密と狡知は,かれらの全くな生存における本質です,そして,それで全般のrogueたちは,敵からの隠伏ならびに道筋を,視られなくて聞かれないものへ作り変える達人になります.

出典:The Rogue's Way: The Path of Skill 

 

 上記から分かるように,D&DのClericとSBのHealerには信仰と奉仕が,D&DのFighterとSBのFighterには戦うことが,D&DのMagic-userとSBのMageには学究と呪術が,D&DのThiefとSBのRogueには,器用さと欲深さが共通しています.

D&DのThiefがとった発展,ならびに,それとの比較

 D&DのThiefとSBのRogueには,少ししか説明されていない側面があります。それは,かれらが商人でもあるということです.

 

 厳密には,Thiefの起源はサプリメント1:グレイホーク(西暦1975年)ではなく,ガイギャックス氏が執筆した同人誌である,Great Plains Games Players Newsletterの第9号(西暦1974年)が初出になります.
 のちに,プレイヤーたちの要望によって,ガイギャックス氏は,かれ自身が使用していた背景世界である,グレイホーク(Greyhawk)の内容を編纂して発売(西暦1980年)し,公式的な冒険の舞台はダンジョンの外にまで拡張されました(D&Dにおける公式的な背景世界は,上記以外にも複数があります).
 Gord the Rogue(西暦1985年)は,ガイギャックス氏が執筆した小説であり,その第一巻では,若いThiefである主人公が貧民街で生き抜きます.さらに,ClassとしてのThiefは,D&Dの第3版(西暦2000年)で改名され,Rogueになりました.さらに,同版ではRogueが詐欺(scam)も行うと明記されました.

 

 D&Dの第5版(西暦2014年)では,Rogueたちの多くが都市に住むこと,ならびに,犯罪者ではない少数のRogueについての説明があります.

 

A Shady Living (日陰の生活) 

 

Every town and city has its share of rogues. Most of them live up to the worst stereotypes of the class, making a living as burglars, assassins, cutpurses, and con artists. 
(中略)
A few rogues make an honest living as locksmiths, investigators, or exterminators, which can be a dangerous job in a world where dire rats—and wererats—haunt the sewers. As adventurers, rogues fall on both sides of the law. 
 全部の町および都市にはrogueたちが共有されます.かれらのほとんどは,classの最悪な複数の典型に応えており,侵入盗犯と暗殺者,ならびに,巾着切りとペテン師として生活を作ります.
(中略)
 僅かなrogueたちが,錠前師か捜査者,または,害獣駆除者として誠実な生活を作ります,これは,dire ratとwereratが下水道に出没する世界では,危険な仕事になりえます.

 

 D&DでもSBでも,兵士たちはFighterです.では,商人たちはどのClassに分類されるのでしょうか.下記は,SBにおけるRogueの直接的な発展形態である,Thiefが獲得するskillの説明文です.

 

Bargaining (価格交渉術) 

 

Seller beware! A keen eye, and quick wit can convince even the stingiest merchant to undercut some of the profit they covet. The merchant princes of Tariponto make haggling an art form. The frugal can learn much from their example. 
 販売者よ,用心しなさい!鋭敏な目と迅速な機知は,熱望する利益のいくらかを切り取ることさえも,最もけちな商人たちに納得させます.Tariponto人の商人公たちは,値切りをartの形相に作り変えます.倹約家はかれらの範例から多量を学べます.

 

 D&Dでは,公式サイトの中で,非公式の自家製サプリメントが制作および販売されています.その中には,Willy Abeel氏とLeon Barillaro氏によって制作されたルールブックである,The Book of Houseがあり,同作には,RogueのSubclassとして商人(Merchant)が特徴づけられています.
 FighterとMagic-userならびにClericを差し置いて,欲深いRogueたちが貧民街で正業または悪業によって資本を獲得し,さらに多くの財産を求めて,善良または不良な商人になるのは,当然の帰結になります.
 そして,成功した商人たちが順調に事業を継続し,三代目の当主が,商人公(merchant prince)として,貧民街とは無関係である裕福な生活を送っていても,欲深いRogueの気質を引き継いでいるなら,かれらはRogueであるといえます.

 

 D&DでもSBでも,都市において,Rogueは貧民街だけでなく高級住宅街にもいるのです.

人格心理学がもつ理論との比較

 心理学の一分野である人格心理学では,類型論と特性論で人格(パーソナリティー)を分類します.類型論は古くから用いられてきたものであり,特性論は,アメリカ合衆国1920年代から1930年代にかけて成立したものです.

 

 両者についての説明を,早稲田大学文学学術員の准教授であり,教育心理学博士である小塩真司先生(経歴は西暦2000年時のもの)の著作,『はじめて学ぶパーソナリティ心理学:個性をめぐる冒険』から引用します.

 

 類型論とは,人間をいくつかの種類に分類し,その各グループに典型的な特徴を記述することによって,パーソナリティを記述する方法のことです.
出典:小塩真司『はじめて学ぶパーソナリティ心理学:個性をめぐる冒険』 ミネルヴァ書房 2010年刊行 2016年5刷69頁

 

 パーソナリティを細かい単位に分け,それぞれの単位を『量』として数値で表していくパーソナリティ把握のしかたを,特性論と言います.
出典:小塩真司『はじめて学ぶパーソナリティ心理学:個性をめぐる冒険』 ミネルヴァ書房 2010年刊行 2016年5刷85頁

 

 上記の理論に沿うと,ClassとProfessionならびにDisciplineでの分類は類型論に,Attribute(割当値)でのStrength(筋力),Dexterity(器用力),Constitution(構成力),Intelligence(知力),Spirit(霊力)は特性論に相当します.実際に,同書では両論をゲームのキャラクターで説明してくれます.
 つまり,SBのキャラクターは,類型論と特性論の複合で表現されているといえます.それに対して,The Elder Scrolls V : Skyrim(西暦2011年に,アメリカ合衆国のBethesda社が発売したビデオゲーム)では,外見を除くキャラクターの特徴が,主にスキルの数値だけで表現されているので,同作には特性論だけが相当します.テーブルトークRPGの古典であるD&Dとルーンクエスト(西暦1978年にアメリカ合衆国のChaosium社から発売)では,前者が類型論と特性論の複合であり,後者が特性論だけになります.

 

 類型論と特性論の関係および利用については,臨床心理士かつ公認心理士であり,東京都千代田区に位置する,東京カウンセリングオフィスの所長でもある,関本文博先生が興味深い言及をされています.

 

 類型論の歴史は特性論のそれより古く,紀元前の古代ギリシャにまで遡ることができます.
 それ故に現代では特性論の方が重視されがちですが,今こそ直観的で分かりやすい類型論が再注目されるべきと考えています.
 実社会や臨床で大事なことは、まず類型論で相手を大まかに把握し、その後特性論で細かく修正していくという二段階を順に行うことであり,他者への理解の手順を正しく踏むべきなのだと思います.
出典:東京カウンセリングオフィス公式サイト 性格類型論 西暦2021年9月12日
https://tokyoco.jp/typology/

魂の三分説との比較

 古代ギリシアの哲学者であるプラトン(生没年:西暦紀元前427年 - 紀元前347年)先生は,著作『国家』と『パイドロス』ならびに『ティマイオス』で,魂の三分説を提示しました.
 魂の三分説とは,「国家」にとっての「知恵/勇気/節制/正義」を,「政務(立法)/軍事/商業」の関係性および役割分担で定義した後に,その定義を「個人」へと類比的に適用し,「個人の魂」を,「理知/気概/欲望」となる三つの部分に分割したものです.

 

 下記がそれらになります.

 

 ・理知(λόγοςことロゴス)
 ・気概(θυμόςことテューモス)
 ・欲望(ἐπιθυμίαことエピテューミア)

 

 上記は,国家の自由民における三種の階層でもあります.そして,プラトン先生は,国家において,理知の性質が強い人が政務者(守護者)に,気概の性質が強い人が戦士(補助者)に,欲望の性質が強い人が金儲けの人になることこそが,正しい国家を実現すると説きました.

 

「(前略)金儲けを仕事とする種族,補助者の種族,守護者の種族が国家においてそれぞれ自己本来の仕事を守って行う場合,(中略)国家を〈正しい〉国家たらしめるものであることになる」

 

出典:プラトン(著) 藤沢令夫(訳) 『国家』〈上〉 (岩波文庫) 1979年刊行 2016年57刷 337頁

 

 魂の三分説自体は,魂の働きと構造を表すものとして,自由民および国家に限らず,隷属民または外国人にも適用が可能な,普遍的な理論です.それをSBの四Classに適用すると,理知はMage,気概はFighter,欲望はRogueに相当します.
 D&Dを設定したガイギャックス氏が,自分のハンドルネームとして,『クルード』(英名:Cluedo.犯人と凶器ならびに殺害現場を当てることが目的である,イギリスの推理系ボードゲーム)のキャラクターである,マスタード大佐(Colonel Mustard)にプラトン(Plato)先生の名前を組み合わせた,プラドー大佐(Col_Pladoh)と名乗ったことは見逃せません.
 しかし,奉仕と祈りの人である,D&DのClericならびにSBのHealerに相当する性質については,『国家』に記されていないので,その起源を別のものに求める必要があります.

三機能構造との比較

 三機能構造とは,フランスの比較神話学者かつ言語学者である,ジョルジュ・デュメジル(生没年:西暦1898年 – 1986年.エコール・ノルマル校卒,イスタンブール大学宗教史教授)先生が発見した,原インド・ヨーロッパ語族がもつ理論です.
 インド・ヨーロッパ語族とは,ロシアのカザフ・キルギス草原地域を地域に起源をもち,西暦紀元前五千年から,数回にわたって,インドからヨーロッパにかけた地域に拡散した語族です.三機能構造とは,遊牧民であるかれらがもつ神話上の諸神格が,祭司と戦士ならびに飼育者で構成されているという理論です.

 

 第一機能については,一つには聖なるものとの関係がある.(中略)神々の配慮や保証(法律,行政)のもとでの人と人の関係であったりする.また神々の意志や好みにしたがって王やその代理人が行使する主権的権力もある.(中略)瞑想や聖物の取り扱いなどと不可分な関係にある知識や知性もここに属する.第二機能には,猛々しい肉体的な力,(中略)主として戦士が行う力の行使が含まれる.第三機能の本質を簡潔にいい現わすのは,より難しい.(中略)人間,動物,植物の豊穣はもちろんだが,同時に栄養,豊かさ,健康,そしてその効力と楽しさを含めた平和なども,ここに含まれる.さらに好色さ,美しさ,「多数性」などもよく見受けられる.このうち最後の「多数性」には,物質面(豊富さ)のみならず,社会総体(群衆)を形成するひとびとの多数性も含まれている.

 

出典: ジョルジュ・デュメジル (著) 松村 一男 (訳) 神々の構造 ――印欧語族三区分イデオロギー―― 1987年刊行 初版一刷33頁

 

 多くの批判を受け,デュメジル先生が三機能構造を修正したことによって,同論がもっていた社会階層との関係は除去されました.しかし,祭司/戦士/飼育者が,初期遊牧社会における牧夫/イヌ/ヒツジに対応することを,中川洋一郎(国際学修士かつ経済史学博士.中央大学名誉教授)先生は指摘します.

 

 (前略)もし,デュメジルと彼の説を支持する研究者たちが上記の強力な批判 (原インド・ヨーロッパ語族民の組織に社会的三階級構造はなかった) に屈することなく,「初期遊牧組織においては,《牧夫→イヌ→ヒツジ》からなる三階級構造が形成され,それが《三機能性》の基盤となった」)という地に足の着いた堅実な発想を得ていれば,事態は大きく変わっていたであろう.

 

出典:ジョルジュ・デュメジル《三機能性》論,1950年の蹉跌 中川洋一郎 (西暦2019年)
https://researchmap.jp/read0026230/published_papers/22849088

 

 前項で,筆者がMage/Fighter/Rogueに類似していると推定した,魂の三分説が三機能構造と似ていることに,お気づきになりましたか.実際に,デュメジル先生は,プラトン先生の国家論には三機能構造が発現していると考えました.しかし,日本ではほとんどそれは論じられていないようです.中川洋一郎先生はそれを指摘しています.

 

 しかし,いささか奇妙なことに,日本の学会で,「プラトンと《三区分イデオロギー》との関係いかん」という問題が論じられたことは,寡聞にして知らない.プラトンの『国家』あるいは《魂の三区分》説が,《三区分イデオロギー》との関連で論じられた形跡が見つからないのである.これは,筆者がプラトン研究の門外漢なので,おそらく研究史に無知ゆえなのだろう.

 

出典:プラトン《魂の三区分》説とデュメジル《三区分イデオロギー》説 中川洋一郎 (西暦2018年)
https://researchmap.jp/read0026230/published_papers/22849090

 

 筆者は,SBにおけるMage/Fighter/Rogue(西暦2001年)の源泉を,D&DのMagic-user/Fighter/Thief(西暦1974年)から,魂の三分説の理知/気概/欲望(西暦紀元前4世紀),三機能構造の祭司/戦士/飼育者,ならびに,初期遊牧社会の牧夫/イヌ/ヒツジ(西暦紀元前40世紀)にまで遡りました.
 筆者なりに各機能を一語で表現すると,それらは文人/武人/商人,または,文業/武業/商業になります.しかし,前項と同様に,第四機能といえるHealerこと奉仕者については,本項でも論じていません.次項ではその源泉を検討します.

HealerおよびMageにおける宗教家としての相違

 D&DのClericおよびSBのHealerにおける源泉である,第四機能こと奉仕者の登場を考察する前に,MageおよびHealerにおける,宗教家としての相違を定義します.

 

 キャラクター作成時における,classおよびルーン(rune)の選択から分かるように,Mageは高い知能値(INT/intelligence)をもっていますが,霊能値(SPI/spirit)は低く,その一方で,Healerは高い霊能値(SPI/spirit)もっていて,知能値(INT/intelligence)は低いです.
 Mageは,呪術(magic)を使用するために綴文(spell)を投射(cast)し,Healerは,奇跡(miracle)を使用するために神を崇拝(worship)します.
 両classから昇格が可能な専門職(profession)である,Channelerがもつ技術(skill)には興味深い説明文が書かれています.

 

Channeling 

 

(前略)Those with the gift of Channeling use faith or philosophy to manipulate the threads of the Tapestry
(前略)Channeling術の賜物を伴うかれらは,Tapestryの諸糸を操作するために,信仰または哲学を使用します.

 

 上記からは,信仰(faith)がHealerに,哲学(philosophy)がMageに関連付けられていることを推測できます.なぜなら,信仰を行うのは高い知能をもっていなくてもできますし,哲学を理解するのは高い霊能をもっていなくてもできるからです.
 信仰を前提とする哲学であり,SBに何度か登場する語でもある神学(theology)は,高い知能をもつHealerが学ぶものであると,筆者は推測します.結局のところ,信仰と哲学の両方が,超自然的な現象を引き起こす源泉として設定されています.

 

 HealerとMageは神への態度が異なります.Healerは全員が信仰者であり,高次の神に対して,自分を対等または上位に位置づけることはありませんが,Mageは全員が神秘主義者であり,高次の神に対して,自分を対等または上位に位置づけます.

追記予定

 

 

 

追記予定:

カースト制度

構造主義

Classはどのように決まるのか

中世ヨーロッパとの比較

三種類のPalece

歴史循環論