シャドウベインの背景世界

惜しくもサービスが停止されたオンラインRPG、Shadowbaneに関する世界設定の翻訳

カエリクはどうなったのか(抄訳)

質問者(Gradishar):カエリク・ブラックハマーがどうなったのか、教えてくれないかな。

 

メリディアン:たしかに、カエリクの最期は明らかになっていない。だけど、彼が全父を探す冒険に出たという、噂もある。別の噂では、彼が裏切られ、殺されたというものもある。天変地異がおきたあとアエアインスは裂け分かれ、孤島となった場所に、勇士たちはとても長いあいだ取り残された。でも、誰もカエリクを目撃しなかったし、彼の噂をひとつも聞かなかったんだ。
 きみは、カエリクが背信者かもしれないと言うんだね。状況のうえでは可能だったよ。だけど彼は、ぼくの考えられるなかで、もっとも疑いの少ない容疑者だ。彼には動機がない。もちろん、全父じしんが、背信者だったということもありえる。カンブリュワンの死と天変地異は、全父が自分の子供たちへ送った、別れの贈り物だったのかもしれない。
 気に留めておいてほしいことは、カンブリュワンの宮廷が、幸福な場所とはほど遠かったことだ。ぼくが伝説の記事で書いた、宮廷での緊張は、醜い氷山の一角にすぎない。発想を与えてくれた、アーサー王物語の宮廷と同じように、俗事と紛争がすべてを破壊したんだ。
 きみは、マロリーの本を読んだことがあるかな。『アーサー王の死』では、最高といえる騎士たちが出てきた。そのなかでペノリア王、ガウェイン卿、ガヘリス卿、ラモラック卿、そしてアーサーじしんが、円卓の騎士たちにより殺された。サクソン人や、ピクト人の手によるものではなかったんだ。カエリクが、仲間である騎士たちに殺されていたとしても、不自然なことではない。
 それはキャメロットと大王国におきた、悲劇といえる。人は、理想と正義を実現させる才能を与えられたけど、実際に達成されたことはないのだろう。そして彼らが失敗したあと、その反動は大きなものとなる。それは人類と文明においても同じだと、きみは感じたかな、とぼくは思う。

 

固有名詞一覧

 

《あ》:アエアインス(Aerynth)

 

《か》:カエリク・ブラックハマー(Caeric Blackhammer)

 

《せ》:全父(All-Father)

 

《た》:大王国(High Kingdom)
《て》:天変地異(Turning)
《と》:道徳論(Code)

 

《は》:背信者(Traitor)

 

《ゆ》:勇士(Champions)

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