Race Lore (種族伝承)
鳥爪戦役の終わりから六十年が経ったあと、アラコイックスたちは新しい活動を始めた。鳥鬼帝国の諜報員たちが、諸ルーン門を通り抜けて、密かに現れたのである。そのなかには、強力な突撃兵、スカイダンサーたちだけでなく、自他における心理の操作者、サヴ…
ヴァンパイアの歴史は公開されませんでした。
ネフィリムの歴史は公開されませんでした。
聞け。月は闇に飲まれ、炎は空高く燃えあがった。時がきたのだ。立ちあがれ。たき火を囲み、おれの話を聞け。斧を下ろせ。あとで、戦いの時間がくるからな。肉を火にかけろ。あとで、食う時間がくるからな。 落ち着け。おれはイェガシュの子、ユルコ・ブラッ…
神秘結社の運営する高級研究会は、争闘時代の九四年度に、四七九六回目となる公式会議を開催した。この議事録は、高名な智者のブレンダル・コランティス氏が同好の研究会会員を集め、行った講演にもとづくものである。 ご来場のメイジと真理を探究される皆様…
「おい、さっさと起きろ。よだれを垂らすな。うんざりする」 「彼にも聞こえているわ。怒鳴らなくていいでしょう。さあ、目を開いて、あなた自身の姿を見て。見れないかしら。じゃあ、そのままでいいから、話を聞いて。何も覚えていないのね。自分が誰かも分…
ご、ご機嫌うるわしゅうございます、旦那さま。旦那さまが今夜の広間で、どうどうたるご勇姿をひろうしてくださったことに、私は感激しております。壁にかかったそれらのつづれ織りは、この場にふさわしくありませんでした。 私でございますか。私は芸人アグ…
神聖巻物を持ってきて、それらを高く掲げなさい。ひもをほどき、中を見なさい。そこには、種族の始まりが記されている。古びた文字と文章によって、勇者と賢者の偉業は、永遠に生きつづけるだろう。物語に耳をかたむけなさい。倒れた英雄と滅びた兵団の鳴ら…
立派なご主人さん、おまえたくさん教えてくれて、おれたくさん勉強した。おれたくさん知ったから、歴史学者さんにお礼言う。昔、太陽と星とヒトの歴史あった。でもおれとおれの仲間たち、地底で働いてて、それら見なかった。 贈り物のおかげで、トゥーリンの…
若人よ、東方を見ろ。我らの心臓が百度脈打つころ、夜は明け、神的太陽が昇る。彼女クルイハリーンの放出する、光明の恩恵を受けるのだ。 古い時代では、このように見事な光景は、見られなかった。かつて、永遠闇夜が地界を覆っていたとき、命あるものすべて…
白夜の子供たちよ、遠路はるばるよくぞ参られた。満天なる星空の下、これほど多くの若者たちが集まってくれたことを、私は嬉しく思う。歴史を直に見た者として、私はあなたたちにすべてを伝えねばなるまい。 美しい花ばながむしり取られるように、私たちエル…
ご機嫌よろしゅうございます、若さま。旦那さまは、若さまの勉強が順調に進んでいることを聞いて、大変喜ばれておりました。そして次は歴史の授業を始めるよう、私に申しつけられました。もちろん、若さまが私よりも剣術の教師を好むことは、良く存じあげて…