醜い姿を持ち、夜間に活動するこの脅威は、ヒトが獣に変身した姿であり、彼らに流れる血は特殊である。人の子が獣化の病気に感染した場合、この呪いは錯乱と形質の変化をもたらし、感染者を、ヒトと狼の特徴を持つ姿に変えてしまう。
この油断ならない獣は、通例自分の意志でヒトからウルフ、さらに人狼(北方のインヴォア人は、人狼をヴァーグアと呼ぶ)に変身できる。彼らの中には、血の渇望で理性を完全に喪失し、ヴァーグアからヒトの姿に戻らない者もいるが、恐らくそれは永続的なものであろう。人の子はウェアウルフを恐れており、発見のたびに狩人を呼ぶが、噂によると、自分たちを生物の頂点と考えたウェアウルフたちが、勢力を築いたといわれており、その組織は人獣教団と呼ばれている。
動物に姿を変える人の子が生まれた理由は不明だが、全父が過去に行った征獣に対し、獣主たちが報復として、全父にひいきされる子供たちを選び、彼らの内部を汚染したとも考えられている。動物の腕力ならびに爪と牙を持つウェアウルフは、苦痛を恐れずに戦い、殺りくと血の味を何よりも愛するようだ。
生息地:場所を選ばない
生態:攻撃的で群を作らない
危険性:並から非常に高い
用語一覧
《い》:インヴォア人(Invorri)
《う》:ヴァーグア(Vargr)、ウェアウルフ(Werewolf)、ウルフ(Wolf)
《し》:獣主(Beast Lord)、人獣教団(Cult of the Beast)、人狼(Man-Wolf)
《せ》:征獣(Taming)、全父(All-Father)
《ひ》:ヒト(Humankind)、人の子(Son of Men)
《ほ》:北方(North)