シャドウベインの背景世界

MMORPG、Shadowbaneがもつ舞台設定の翻訳

Minotaur Ways (ミノタウロスの道筋)

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 ミノタウロスがもつ野蛮な文化は、かれらの起源を知ることにより、理解が可能となる。不滅帝国が栄華を極めていた、昼中時代の初期に、最初のミノタウロスたちが作られた。ダールヘレグア人は、最も冷酷なエルフである。かれらのウィザードたちは、ヒトの奴隷たちに対し、ジャイアントがもつ血液と筋力の、両者を混入させた。こうして、これらのヒトたちがもつ肉体は、獣のものに変化したのである。ミノタウロスを作りあげたおぞましい呪文は、喜ばしいことに、歴史のなかで失われた。
 ミノタウロスの繁殖は、労働者および兵士としての、使用を目的におこなわれ、従事したかれらは良好な結果を収めた。残酷な罰をともなう強力な呪文は、獣人たちを恐れさせて、かれらを整列させていた。しかし、のちに、ミノタウロスはエルフによる制御から逃れ、文明人たちにとって脅威となった。

 

 始めのころに、ミノタウロスの文化を台頭させた原動力は、憎悪であった。かれらを作りあげたエルフ、戻れない姿をもつヒト、そして、道理を説いてくる人びとが、敵と認識された。北方では、現在でも、ミノタウロスの野蛮な諸集団が放浪しているため、暴力と恐怖が広がっている。
 しかし、かれらのなかには、攻撃性を多少は抑え、地界の諸民族を粗雑に模倣して、独自の社会を築き始めた者たちがいる。これらの〈文明化した〉ミノタウロス(※1)は、〈劣等の〉個体として知られている。なぜなら、かれらは、野蛮な同族たちよりも、背丈が低い傾向があるためである。とはいえ、このようなミノタウロスを劣等牛鬼と呼んだ者たちは、全員が殺害されたので、用心しなければならない。

 

※1:多くの学者たちが、牛男たちの変化を文明化と認めることに、二の足を踏んでいる。

 

 ミノタウロスは、複数の部族で構成された、大きな諸部族のなかで暮らしている。戦士たちと各氏族の指導者たちは、怪力と武勇で大部族を支配している、首長に忠誠を誓っている。首長に従うミノタウロスの全員が、自発的な意志にもとづいている。かれらは、奴隷になることを激しく嫌っており、家来になるよりは死を選ぶ。ミノタウロスの全員が、部族からの離脱をいつでも可能としている。それは、かれらが、指導者に対する隷属者ではなく、仲間であることを表している。
 ミノタウロスの首長たちには、階層的な権威が欠如している。そのため、自分じしんの地位を積極的に誇示しながら、綱渡りのような生活を送らなければならない。部族の方針をめぐる血みどろの決闘は、日常の出来事である。首長が弱みを見せたとたんに、一人いじょうの信奉者たちが、かれを、死に至る決闘へ引きこむ。
 天変地異がおきて、死が議論を終わらせなくなったあと、ミノタウロスは残忍性を増加させた。戦士が首長に挑戦し、決闘がおこなわれたあと、敗者には拷問がおこなわれ、屈辱が与えられる。数日後、かれに死ぬことが許されたあと、この惨めな没落者には、誰も追従しなくなる。決闘の敗北者たちは、部族を離れたあと、別の首長に従うことが多い。その一方で、かれらの少数が、自分の運命を知るために、十本足指たち(※2)が住む、不可解な土地へ向かうこともある。
 ミノタウロスのウォーリアーたちは、領主たちの従者として、もしくは傭兵として、高額の報酬を得ることができる。その金額は、ハーフジャイアントのものを上まわる。しかし、かれらの雇用には危険がともなう。

 

※2:ミノタウロスは、地界における他の諸種族を、このように命名した。

 

 十本足指たちへの憎悪を捨てて、自分たちの生活を営むミノタウロスは増加している。そして、大多数の人びとは、激しい襲撃を受けることをとおして、獣人たちを知る。オークと同様に、ミノタウロスは何も生産せず、弱い者たちからの強奪により、生存している。ケンタウロスがもつものに似ている、ミノタウロスの凶暴性は、名誉があるものといえる。しかし、かれら牛男たちは、戦術には関心をもたず、戦場でおこなった残虐行為について、喜んで語り合うといわれている。ミノタウロスにとっては、軍略の考案は退屈なものであり、生計を立てるために、怪力と強靭さを用いる。
 ミノタウロスがもつ文化のなかで、一般に非難されているもののひとつは、倒した敵を使い、戦勝記念物を作ることである。この古い習慣にもとづいて、かれらは死体を加工する。顎の裂け分かれた頭と耳、そして、手と足など、身の毛がよだつ複数の戦勝記念物が、要塞の壁を飾っている。首長たちの全員が、各豪邸を部族の戦勝記念物で装飾しており、ミノタウロスは、新しい収集品の獲得に熱心である。

 

用語一覧

 

《う》:ウィザード(Wizard)、ウォーリアー(Warrior)、牛男(Bull Man)、運命(Fortune)
《え》:エルフ(Elf)
《お》:オーク(Orc)

 

《か》:学者(Scholar)
《け》:ケンタウロス(Centaur)

 

《し》:ジャイアント(Giant)、獣人(Beast Man)、首長(Chief)、十本足指(Ten Toes)

 

《た》:ダールヘレグア人(Dar Khelegur)
《ち》:地界(World)
《て》:天変地異(Turning)

 

《ひ》:ヒト(Human)、昼中時代(Age of Days)
《ふ》:不滅帝国(Deathless Empire
《ほ》:北方(North)

 

《は》:ハーフジャイアント(Half Giant)

 

《み》:ミノタウロス(Minotaur)

 

《り》:領主(Lord)
《れ》:劣等牛鬼(Lesser Minotaur)