北端における極寒の荒地は、ヒトにおける、色白で背が高い民族の故郷である。怪力および凶暴性の両者によって、かれらは知られており、地界の全土で恐れられている。北方人たちは、南方の啓蒙された諸国の人びとから、〈野蛮人〉と呼ばれている。同様に、北方人たちも、温暖な気候の土地で暮らす農民たちを、強く軽蔑している。
北方人たちは、かれら自身を、全父の長子および最強の子供として、地界の全体および万物の主人であると考えている。このような信念は、野蛮人たちを、襲撃および略奪へ際限なく駆りたてており、戦闘はかれらの人生そのものである。
北方人たちは、全父がかれらを創造したと認めているが、御父を崇拝してはいない。なぜなら、祈祷者たちへ決して応えない全父に対して、自分たちが祈る必要はないと考えているためである。過酷な故郷で、生存の試練に悩まされてきた北方人たちは、繁栄および急死をもたらす、自然の諸力を崇敬している。それらは、冷気および嵐、ならびに、太陽および祖霊である。
北方人たちは読み書きを知らないが、伝説およびサガの、伝統的な両者を豊富にもっている。さらに、かれらの職人たちは、固有の残忍性と同等に突出した程度の、見事な芸術作品を制作する。北方人たちは、実直さと技術、ならびに、強さと栄光を重んじる。北方人たちの、ジャイアントたちおよびミノタウロスたちとの深い確執は、伝説的である。
用語一覧
《さ》:サガ(saga)
《し》:ジャイアント(Giant)
《せ》:全父(All-Father)
《た》:太陽(Sun)
《ち》:地界(World)
《な》:南方(South)
《は》:蛮人氏族(Barbarian Clan)
《ひ》:ヒト(Man)
《ほ》:北端(Utter North)、北方人(Northman)
《み》:ミノタウロス(Minotaur)