シャドウベインの背景世界

MMORPG、Shadowbaneがもつ舞台設定の翻訳

プロスペクターの体験記(Prospector Narrative)

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 肉体を酷使して稼ぐことに、疲れてしまったのか。ならば良い方法がある。足元にある大地を見ろ。そして、それの発する声を聞け。

 

 ドワーフの父、鍛冶神ことトゥーリン神よりも、地底とそれに隠された価値を知る者はいない。砕けてしまったが、もともと土と石の球体を作ったのは、ブライアラ女神だと言う者たちがいる。しかし、あらゆる裂け目と洞穴を調査し、すべての継ぎ目と鉱脈に触れたのは、トゥーリン神だけだ。
 ヒトとエルフが誕生するよりもまえに、トゥーリン神はアエアインスの骨を削った。トゥーリン神はドワーフたちに、地底がうなりながらうたう、歌の聞きとり方を教えた。そして、隠された鉱石と宝石の原石を、掘り出す方法を示した。

 

 ドワーフたちは、長いあいだ山やまの下で掘削し、鉱脈と継ぎ目について学んできた。ドワーフたちは、岩の中に埋没した恐ろしいものの骨から金属を採掘し、加工した。さらに、かれらは地界の中核から湧き出てくる、竜神血液の流れを変えて、せき止める方法を学んだ。ドワーフの偉大な指導者たちは、槌で石をたたいたときに鳴る音を聞いて、鉱石を見つけだす地中音の知識を獲得した。そして、力の言葉と剛力の歌を使い、石を粉砕する方法も学んだ。

 

 いくつもの時代で、トゥーリン神の子は、かれらのもつ技術を秘匿した。したがって、無天井世界の人びとが山やまの表面を削って、獲得した鉄と金の量は少なかった。
 しかし、近年ではすべてが変わった。ドワーフたちが地底での長い放浪を止めて、石窟から地上に戻ってきたのだ。ドワーフたちは地界を再建しようとしている。散在する諸ネイションにはゴールドとストーン材ならびに、価値ある物品が必要になるが、ドワーフたちはそれを知っている。
 ドワーフたちは、プロスペクターに伝わる太古の知識を、新しい弟子となる多くの種族に教えた。それは鉱山を運営し、ブライアラ女神の財宝を引き出す方法だ。小人王たちは財産と繁栄の新しい源泉が、アエアインスに住む人びとの、対立を終わらせることを望んだ。だが、おれは不安に思っている。おれたちの与えたものが、戦いの新しい原因になるかもしれないからだ。

 それで、おまえは熱心に土を掘って、ネイションのために、大量のゴールドと財宝を手にいれるつもりか。いいだろう。おれはすべてを教えられる。おまえには、よく響かせる槌とするどい聴力が必要になるだろう。

 

用語一覧

 

《あ》:アエアインス(Aerynth)
《え》:エルフ(Elf)

 

《か》:鍛冶神(Shaper)
《こ》:ゴールド(Gold)、小人王(Dwarvish Lord)

 

《す》:ストーン材(Stone)

 

《ち》:地界(World)、地底音(Sounding)
《と》:トゥーリン(Thurin)、トゥーリン神の子(Son of Thurin)、ドワーフ(Dwarf)

 

《ね》:ネイション(Nation)

 

《ひ》:ヒト(Man)
《ふ》:ブライアラ(Braialla)、プロスペクター(Prospector)

 

《む》:無天井世界(Roofless World)

 

《り》:竜神血液(Dragon's Blood)