シャドウベインの背景世界

MMORPG、Shadowbaneがもつ舞台設定の翻訳

Aracoix Ways (アラコイックスの道筋)

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 アラコイックスの関心を占める二つの要素は、かれらがもつ文化の柱でもある。したがって、これらを把握しなければ、有翼者を理解することは不可能である。
 第一に、アラコイックスは、自分たちと異なる文明の人びとを信用しない。逸脱したアラコイックスたちは、情報を漏らした。それによれば、アラコイックスは、かれらの出身地こと故郷世界における、唯一の支配者である。その場所でアラコイックスは、羽をもたずに地面を歩く、すべての生物を害悪とみなし、征服と根絶の対象にしていた。
 第二に、アラコイックスの精神は平静がとれていて、かれらは注意深くて気難しく、きまじめである。離反した少数のアラコイックスが、かれらの反発した帝国法について語った。それは義務と名誉を理解させ、家族と帝国ならびに、自種族への忠誠心を養うものである。イレケイがかれらの規範に対し、狂信的であるのと同じくらいに、大半の有翼者たちが、帝国法に傾倒している。一方で、若いアラコイックスのなかには、かれらを拘束する、帝国法を嫌う者たちもいる。

 

 部外者への恐怖と、帝国法への献身が組み合わさることにより、アラコイックスの社会は、管理的かつ軍事的な性格をもった。
 アラコイックスの各クレーがおのおのの高巣に居住し、小規模な共同生活を送る。クレーとは、婚姻にもとづいて、複数の家族が同盟を結び、構成する集団である。なお、クレーという名詞に地界の言葉をあてるなら、〈戦隊〉が適当といえる。すべてのクレーが、強力な権限をもつ指揮者に支配されており、成員の全員が、帝国法を遵守しながら役割と責務を負う。
 飛行だけが、アラコイックスの建造物に立ち入る、唯一の方法である。なぜなら、高巣は離着場所をもつ高い塔であり、そのうえ、門のない壁に囲まれているからである。近年のアラコイックスは、影響力の拡大にともない、以前よりも大きな高巣を建てている。怪我か病気により飛べなくなったアラコイックスは、ただちにクレーから除外されて、儀礼的な葬式が行われる。
 防衛はアラコイックスの共同体において、もっとも重要な課題である。したがって、社会集団であるすべてのクレーは、軍隊の機能をもつことも義務づけられている。地界にいる各クレーの指揮者たちには、最高位の指揮者、大戦隊長の命令に従う責任がある。噂によると、大戦隊長じしんは、絶大な権力をもつ、評議会か皇帝の類に従属している。この機関か人物は、有翼者たちの故郷世界で、神のように扱われ、崇敬されているらしい。

 

 地界に来た最初のアラコイックスは、探検家ではなく、征服者だったといえる。呪術の能力が欠けていたことは、アラコイックスの敗北につながった。しかし、数年後に高巣へ撤退した有翼者たちは、そこで兵力を結集し、軍隊を再編する。この軍隊はケンタウロスに匹敵するほど、洞察と戦術に長けていた。
 アラコイックスは堅実に征服活動を行い、少しづつ領土を拡大してきた。アラコイックスは戦闘に熟達しており、戦隊を勝利させるためならば、喜んで命を投げだす。アラコイックスどうしの伝達手段は不明だが、迅速かつ簡潔で、音を出さない方法を用いるようである。
 アラコイックスたちは、戦闘において、奇妙なほど固い連携をとる。そして、かれらは、帝国法にもとづく複雑な作戦と集団攻撃を、容易に実行する。アラコイックスは一撃離脱の戦術が得意であり、大規模な部隊行動を好まない。かれらは少人数で作戦を実行し、雷の速度で敵を強襲する。
 大半のアラコイックスがウォーリアーになる。しかし、炊事係や鍛冶職人であっても、クレーに奉仕する者たちの全員が、兵役に時間を割かなければならない。アラコイックスは、組織化された宗教と呪術の研究を、何よりも軽蔑している。かれらは征服した土地で、宗教的な建築物と呪術の図書館を、徹底的に破壊する。

 

 近年、アラコイックスの社会に新しい現象がみられた。恐れられているアラコイックスたちが、地界に住む人びとの影響を受けたのである。数百におよぶ若いアラコイックスたちが、帝国法を無視し始め、義務を守らなくなった。それは、数千年まえに帝国法が施行されて以来、初めての出来事である。
 追放された若者たちは放浪し、地界の人びとと交流をもつことで、新しい生き方を見つけた。かれらはアラコイックスの文化について、多くのことを明らかにしたが、秘匿された情報も少なくない。

 

 逸脱したアラコイックスたちでさえ、自分の種族と故郷世界については、すべてを明かさなかった。手がかりと推測によれば、故郷世界は、大規模な鳥鬼帝国に支配されているが、詳細は不明である。自白させる呪術と拷問でさえも、アラコイックスたちからは、それ以上の情報を引き出せなかった。
 アラコイックスが神と宗教を軽蔑していて、それらから恩恵を受けないことが、逸脱者たちから知らされた。アラコイックスは神の概念を理解しているが、神がみを危険なものとみなし、忌避する。宗教についての情報は、かれらからそれ以上は得られなかった。いくつかの見解によれば、アラコイックスは独自の呪術をもっているが、確実な証拠は報告されていない。
 アラコイックスは沈黙を守りつづけたので、どれほど力を尽くしても、かれらが地界に来た理由は、解明されなかった。大半のアラコイックスがとる態度と、かれらの活動を見れば、有翼者たちの計画が、脅威になると予想できる。

 

用語一覧

 

《あ》:アラコイックス(Aracoix)
《い》:イレケイ(Irekei)
《う》:ウォーリアー(Warrior)

 

《か》:神(God)
《く》:クレー(Kh'ree)
《け》:ケンタウロス(Centaur)
《こ》:高巣(Aeries)、故郷世界(Homeworld)

 

《た》:大戦隊長(Grand Marshal)
《ち》:地界(World)
《て》:帝国法(Law)
《と》:鳥鬼帝国(Aracoix Empire

 

《ゆ》:有翼者(Birdman)