シャドウベインの背景世界

惜しくもサービスが停止されたオンラインRPG、Shadowbaneに関する世界設定の翻訳

ファラスターン[呪者](Falastan the Wizard)

 こんにちは、旅人よ。文明から遠いこのような荒地へ来て、歩く者を、わたしはあまり見たことがない。この旅には十分な価値がある。砂岩でできた暗い諸山頂のあいだには、驚異が横たわっている。わたしの言葉を覚えておきなさい。過去において、この砂漠は、ヒトが発祥した亡国アルダンにおける、中心部であった。
 わたしは、この場所を見つけるために、謎および古代の兆候における多数を解明した。しかし、わたしの学者仲間たちは、定着している怪物たちによって離散した。怪物たちを放逐できれば、わたしたちは大書庫を取り戻す。そして、四千年いじょうにわたり失われていた、呪術の秘奥に近づけるようになるだろう。

あなたは誰ですか。

 わたしは、呪術結社で、古代言語と伝承および哲学の訓練を受けた、知識に仕える下僕こと学者である。わたしは、生涯を費やして、驚異的なアルダン領国における古代の記録を精査し、少数の遺物について研究してきた。
 呪術結社へ、この隠れていた砂漠の谷、ならびに、同地の大規模な諸遺跡についての、報告が届いた。そのときに、わたしは、それらを研究する機会へ飛びついた。アルダン領国は何千年も前に滅亡した。智者たちは、これほど多くの遺跡が発見されるとは、思っていなかったし、それらは完全に無傷であった。
 数週間まえに、わたしは、多くの学者仲間たちとここへ来たが、調査隊は攻撃を受けてしまい、壊滅したのかもしれない。大書庫が手に届くところにあったのに、わたしは失敗した。上司たちのもとに戻り、報告をおこなう勇気は、わたしにはない。

アルダン領国のことを詳しく教えてください。

 アルダンは、ティーターンである一三人のなかで、最も偉大な者の名前である。かれは、全父ご自身の両手により、最初のヒトとして造形された。アルダン半神はかれの同族たちを率いて、エルフおよびジャイアントの土地から遠く離れ、アルダンの名前をもつ王国を築いた。ティーターンたちから、諸民族および諸文明の、ヒトにおける両者が生まれた。それらは、凍てつく北のインヴォア人から、黒い肌をもつ、東の謎めいたイリュドヌ人にまでおよぶ。
 無数の世紀にわたって、ティーターンたちとかれらの子供たちは、アルダン領国に住んだ。諸神は同地における住民たちのあいだを歩き、多くの事を教えたといわれている。アルダン領国の人びとは、ドワーフたちから学んだ諸技芸を使って、複数の巨大な都市を建て、山の表面に神殿および墓をもった。ヒトは、遠い昔に初めて諸呪芸を学び、いくつもの大戦で、不死者たちおよび忘れられた敵たちと戦った。
 残念ながら、アルダン領国は長続きしなかった。

 エルフたちの不滅帝国は、ティーターンたちの土地へ戦争を仕掛けた。最終的に、エルフたちは、アルダン領国へ強力な呪文を解き放つことで、同地を荒廃させ、さらに、住民たちの血液を汚染した。アルダン領国における住民の大多数が発狂し、アルダン半神は、かれの子供たちを生存させるために死亡した。少数の生き残りたちは、エルフたちによって奴隷にされ、自分たちの輝かしい起源を忘れた。
 のちに奴隷たちは反乱をおこし、ケンタウロスたちは、かれらへ、アルダン領国における多くの遺産について教えた。しかし、呪芸および栄光の、同地における全部は失われたままであった。とはいえ、それらは、すぐに取り戻されるであろう。

 わたしはいくつもの砂丘を歩き、断崖に彫られた、そびえ立つ複数の正面門を見た。わたしは、砂漠に半分ほど埋もれていた、輝く遺跡を見た。失われたアルダン大書庫は、この谷間の中心に位置しており、塵に塗れた巻物を満載している。この土地を奪還すれば、ヒトは、失っていた生得権を回復し、呪芸は比類のない発展を遂げるであろう。

あなたの言う大書庫はどのようなものですか。

 年代記の諸断片と古代の諸伝説には、無名人祖が設計した、大規模な書庫の存在が示唆されている。かれは、ヒトにおける最初のウィザードであり、十三人目のティーターンでもあった。その大規模な書庫は、世界の向こう側から呼び出された、強力な元素霊たちによって建築された。そして、何世紀にもわたって、知識および知恵の、アルダン領国における蓄積された両者が収集された。
 学者およびウィザードの、アエアインスにおいて最良といえる両者たちの全員が、大書庫を失われたものと認識した。したがって、かれらは、アルダン領国における呪術の知識を、回復できないものと考えて絶望した。
 しかし、数週間まえに、この砂地の中をよろめきながら歩いた、半狂乱の探検家が現れた。かれは、砂岩および瑠璃で作られた、大型の彫像を両脇にともなう、巨大な建造物についてのうわごとを、わたしへ発した。それは大書庫に違いない。憎たらしい蛇たちから大書庫を奪還すれば、呪術結社は、夢想さえしなかった、呪術の諸秘奥を手に入れることができるであろう。

どのような怪物たちが占拠しているのですか。

 呪術結社は、呪術の秘奥を求めて、わたしを神に見捨てられた土地へ派遣したが、わたしは悲惨な状況だけを見つけた。古代におけるアルダン領国の諸遺跡には、あらゆる知識を否定する、蛇のようなおぞましい生物たちが生息している。この歩く蛇たちは、術者および戦士の危険な両者であり、アルダン領国の諸遺跡へ近づく者たちに対して、凶暴に襲いかかる。
 歩く蛇たちの正体については、ここでは説明ができない。かれらは、遠い昔にティーターンたちによって投獄された、古い怪物なのであろうか。それとも、砂漠の地下にある空間から現れた、目撃されていなかった獣人なのであろうか。もしくは、かれらが激しく敵対している、アラコイックスたちと同様に、別の世界から来た侵略者なのであろうか。わたしには計り知れない。
 この危険な砂地を勇敢に進み、歩く蛇たちと戦う気があるのか。それならば、あなたは、かれらがもつ性質の解明をおこなうために、わたしを助けられるであろう。しかし、あなたが行くまえに、わたしは警告をしなければならない。歩く蛇たちは、何らかの恐ろしい神敵こと、地中から現れた邪悪な怪物を崇拝している。歩く蛇たちは神敵を引き寄せているが、それを探してはならない。お願いだ。その神敵は見るのも恐ろしく、同怪物がもつ複数の触手は危険であるからだ。

 この場所に潜んでいる危険は、歩く蛇たちだけではない。鳥爪戦争で目撃された以上の大人数で、アラコイックスたちが砂漠へ侵入し、戦いながら少しずつ大書庫へ向かっているようだ。わたしはアラコイックスたちと関わり、何度も理解を深め合おうとした。しかし、かれらの傲慢さおよび奇習は、全部の理性的な交渉を拒絶した。
 この有翼者たちにとって、話す家畜たちの古い書庫は、何の役に立つのであろうか。わたしたちの全員が、危険の実態を知ることになるであろうから、それが気がかりだ。

会話を終える。

 

用語一覧

《あ》:アエアインス(Aerynth)、アラコイックス(Aracoix)、アルダン(Ardan)、アルダン大書庫(Archive of Ardan)、アルダン領国(Ardan / Realm of Ardan)、亡国アルダン(Lost Realm of Ardan)
《い》:イリュドヌ人(Irydnu)、インヴォア人(Invorri)
《う》:ウィザード(Wizard)
《え》:エルフ(Elf)

《か》:学者(Sage)、神(God)
《け》:元素霊(Elemental Spirit)、ケンタウロス(Centaur)

《し》:ジャイアント(Giant)、獣人(Beast-man)、呪芸(Arcane Art)、呪術結社(High Conclave of Wizardy)、神敵(Terror)
《せ》:全父(All-Father)

《た》:大書庫(Archive)
《ち》:知識(Knowledge)、智者(Magus)
《て》:ティーターン(Titan)
《と》:鳥爪戦争(War of Talons)、ドワーフ(Dwarf)

《ひ》:ヒト(Humankind)
《ふ》:ファラスターン[学者](Falastan the Wizard)、不死者(Undead)、不滅帝国(Deathless Empire

《む》:無名人祖(Nameless One)

《ゆ》:有翼者(Birdman)