シャドウベインの背景世界

MMORPG、Shadowbaneがもつ舞台設定の翻訳

年表:争闘時代(The Timeline of the Age of Strife)

 日付は陰惨暦(陰暦)で表記する。

 

・1年から24年まで:絶望期
 上級王が命を落としたあと、地界は大小さまざまな大きさで、多くの数に裂け分かれてしまい、個この破片はつながりを絶たれた。隆盛を誇った国ぐにだけでなく、州さえも分割され、冥界に落ちていった。
 交戦していた諸国の、政体も分割された。古くから敵対していた人びとは、自分たちのつめこまれた小さな島が、地界で、ただひとつ残った場所だと考えた。裂け分かれた陸地どうしのあいだでは、旅行と交流が不可能であった。わずかな者たちだけが天変地異の原因と、影響した範囲を知っていた。しかし、破片となった陸地にいた大多数の者たちは、自分たちだけが、地界の終わりで生存したのだと信じた。

 

 天変地異がおきたあと、災難が群をなして到来した。それによって、多くの大都市が人びとを養う耕作地を失い、不足した食料は商取引で補われた。飢餓と疫病は、粉ごなになったアエアインスの、いたるところで猛威を振るった。そして貴重な資源をめぐって、各地で激しい戦争がおき、古くからの宿敵どうしが戦い、人びとは身内どうしでも争った。
 生き抜くために、隣人から略奪する者たちもいれば、砦を築き、頑丈な門と厚い壁で、悪党を寄せつけない共同体もあった。生き残るために、長年の対立を克服した人びともいれば、以前まで温厚だったにもかかわらず、暴力をはたらく人びともいた。何よりも悪いことは、全父の消息が不明になったことであり、天変地異がおきてから、父の姿と声を確認できた者はいない。

 

 初期の昼中時代と同様に、殺害された者たちの魂は不死者として現れた。天変地異がおきたことで、暗影軍団の人数は激増し、今までよりも、さらに恐ろしい存在となった。ほぼすべての都市に、ゾンビの群が襲撃してきたのである。その一方で、混沌の怪物たちが地震により目ざめ、ふたたび大地を徘徊し、行く先ざきを破壊した。

 

・1年:
 キエラヴェンで勇士たちが、シャドウベインを世界樹から引き抜こうとしたが、失敗に終わる。カンブリュワン王の遺体が火葬される。ゼリスタンが、上級王の遺灰を秘密の墓に納める。勇士のマローンが、上級王の冠を保管することになった。勇士たちと残存した兵士たちは、故郷に帰ろうとしたが、かれらのいた土地は冥界に囲まれていて、絶壁の孤島になっていた。
 多くの人びとが各地の島から脱出して、別の陸地に行くことを試みた。一方で騎士の称号を捨てて、
自分の国を建てる者たちも現れ、各地に諸破片王国が成立した。
 カンブリュワン王が建てた国の首都、メリッサル市では、天変地異のとき以降、王と王妃のブロンウィンが不在になっていた。そこでは勇士のアデラードが政務を代行し、かれは上級王座の摂政を自称した。アデラードの賢明な指導により、多くの災難が回避された。
 初めてシェイドが誕生し、両親を恐怖におとしいれた。

 

・2年:
 無私者マローンが幻視にもとづいて、カイアハルドラン市の、人里離れた聖堂を占領する。マローンは少数のプリレイトと一人の主教、メルドリン・オブ・ソーウェンフェルスとともに、聖堂にこもった。そこでかれらは、秘密裏に剣の書を編纂した。

 

・3年:
 大人数のドワーフが、ヒトの残存した土地を訪れ、同族の安否と天変地異の情報を聞きまわる。

 

・5年:
 マローンとかれの仲間たちが姿を現し、浄火修道会を組織する。マローンの熱心な信仰により、天使たちが帰還し、かれらが幻視と声明を、各地のプレレイトたちに送る。それは、多くの破片に分かれたアエアインスで、最初となる情報伝達でもあった。その現象は人びとに驚きを与え、おびえさせたが、マローンの説教を聞いて、多くのヒトが新しい宗教に改宗した。

 

・7年:
 マローンとかれの仲間たちがアルフボーンの勇士、セシェーリーンを背信者とみなし、この騎士を捕縛する。セシェーリーンは重大な犯罪を疑われ、激しく拷問された。マローンは、対鬼子大審問の開始を宣言し、各地の信徒たちが、アルフボーンとシェイドを迫害し始めた。

 

・9年:
 全父教会の主教と大主教、ならびに枢機卿が、天使たちと最後の接触をとる。全父教会の聖職者たちは、奇跡の力を取り戻したが、その能力は過去のものに比べ、減少していた。
 暗影軍団による被害規模が、最大に達する。プレレイトのカンブレル・ナッシュが、ワンフォードにある大聖堂の書庫で、古代の記録を発見する。それにもとづき、アンデッドハンターの技術が復活した。聖なる声明と秘技が、広範囲に伝えられる。多くの土地でアンデッドハンターが生まれ、広がる影が退けられた。

 

・20年:
 呪術師結社の智者たちが、正式に、ウォーロックリー術を呪術のひとつに分類する。

 

・24年:
 隠れ住んでいたドルイドたちが現れ、砕けた全土を旅して、残存した諸都市を訪れる。ドルイドたちは地界に危機をもたらしている、不死者の増加を抑えるための、解決方法を完成させていた。石の木でもある生命の樹は、遠くにある、石化した世界樹とのつながりをもっている。魂を生命の樹にすえつけることで、死者を地界にとどめるだけでなく、かれらに新しい肉体を与えられる。
 ほどなくして、いくつもの大都市が生命の樹を植えたが、木の強奪を試みる勢力も現れ、恒常的な争いがおこった。生命の樹が出現したことで、暗影軍団の爆発的な拡張はさまたげられたが、完全な停止にはならなかった。
 全父教会が衰えた一方で、原始宗教が勢力を増加させる。初めてドルイドとレンジャーは、特定の土地と諸都市で、おおやけに保護者を務めるようになった。

 

・51年:
 アラコイクスが各地のルーン門を通り抜けて、初めてアエアインスに現れる。鳥人と世界人類が最初の接触をとるが、激しく敵対し、鳥爪戦役と呼ばれる大きな戦いがおこった。戦争のさなか智者たちが、ルーン門の秘める力に気がつく。

 

・54年:
 アラコイクスたちが敗北し、鳥爪戦役が終わる。青智者アンギルロールとウィザードたちが、ルーン門の仕組みを解明する。それによって、天変地異がおきたとき以来、砕けたアエアインスで、初めて実際の交流がもたれた。

 

・55年:
 女王のブロンウィンが、ようやくアルヴァエティア国のある陸地に戻る。そしてかれ女は、カンブリュワン王が建てた国の首都、メリッサル市に到着した。ブロンウィンは摂政のアデラードに対して、玉座の明け渡しを要求し、上級女王になろうとしたが、かれは拒否した。
 竜騎士とも呼ばれるエリック・エッセンガルが、多くの勇士を連れて、キエラヴェンからメリッサル市に帰還する。エリックと勇士たちが、誰がカンブリュワン王の後継者になるべきか、ブロンウィンならびにアデラードと議論する。その結果、激しい争いがおこった。エリックがメリッサル市を略奪しようとしたが、賢者ゼリスタンが仲裁し、被害は免れた。

 

・56年:
 エリックと勇士たちが、各自の荒廃した故郷に戻り、自分の軍隊を組織する。かれらはダークナイトを名のり、軍閥総統として知られるようになった。軍閥総統たちが、上級王国の破片における支配権をめぐり、かれら同士で激しい戦争を始める。
 勇士のマーディオック・ウィルムスレイヤーが、キエラヴェンから帰還し、アデラードと会う。かれらは騎士たちの新しい組織を作り、カンブリュワン王の道徳律を維持しようとした。アデラードは摂政の職務をつづけ、その一方で、マーディオックは旅に出て、カンブリュワン王の後継者を探した。

 

・57年:
 廃墟となったキエラヴェンの近くで、最初の聖剣争奪がおこる。ナイトとウォーリアーならびに巡礼者たちが、シャドウベインを世界樹から引き抜こうとした。

 

・58年:
 砕けた全土にいた、少数の妖人王とエルフの賢者が、廃墟となった大都市、ディヴェアヤンド市の近くに集まる。かれらは、放浪しているエルフの諸集団に呼びかけ、不滅帝国を復興させるために、陰謀の計画を始めた。

 

・62年:
 全父教会の総大司教、ネストル38世が、聖都ダルゴスで大規模な宗教会議を召集する。砕けたアエアインスで、生存した大主教たちが実際に顔を合わせたのは、天変地異がおきたとき以来、初めてのことであった。
 この会議には勇士のマローンも出席し、かれは、新しい教典の採用を宣言した。総大司教枢機卿たちはマローンを非難し、剣の書を異端の書物に認定した。激怒したマローンが、会場から退席する。多くのプレレイトがマローンについていき、かれらはコンフェッサーの集団に加入した。

 

・63年:
 マローンがキエラヴェンの陸地に戻る。そこでかれは、カイアハルドラン市に浄火神殿の総司令部を置き、同市を聖都に認定したことを宣言した。マローンが十二信条の執筆と批准を行い、教会が、浄火神殿と全父教会に分離したことが公式化される。浄火神殿は、すぐさま運営組織を編成して、独自の教会法を制定した。

 

・66年:
 マローン卿が、浄火神殿の神祇官団により列聖されて、聖人になる。

 

・69年:
 キエラヴェンのある破片陸地で、強力なフレイムドレイクのドランゲルリコールが目ざめ、そこを荒廃させる。この怪物は聖マローンとテンプラーたちにより、カイアハルドラン市から排除されたあと、キエラヴェンの廃墟に住みついた。
 ドランゲルリコールが、世界樹に近づく者たちを殺害するようになり、聖剣争奪が終わる。

 

・85年:
 茨王を名乗るアルフボーンのレンジャーが、大人数の同種族で構成された、新しい国家を設立した噂が広まる。多くの交雑児が、その国家を探すために旅立ち、故郷に戻る者は少なかった。

 

・90年:
 死灰預言者が初めて灼熱砂漠に現れ、各地のヴィラクトゥを渡り歩く。かれはイレケイの指導者たちに、究極血潮闘争のときが来たことを伝え回った。

 

・92年:
 誘拐と儀式殺人の噂が、多くの大都市で広がる。謎めいた、死を信奉するシェイドの宗教組織、骸布兄弟会が、諸事件の犯人と考えられた。

 

・94年:
 神の子供とも言われた北方人のストームロード、ヘーイン・ラウディングソンが、氷河での探究を成し遂げて帰還する。かれの目的は、古い時代にすべての北方人を統べた、最初の大氏族長、ヒーロガの武器、雷槌タースィーアを持ち帰ることだった。
 多くのバーバリアンと大氏族長が、ヘーインを慕って、かれの旗に集まる。有力な北方人たちが氏族王を名乗り、各自が称号の正当性を主張した。多くの人びとが、バーバリアンたちが大規模な侵攻を始め、ふたたび南方人の土地を襲うときが来ると、考えている。

 

・96年:
 一人のウィルムスレイヤーが、キエラヴェンの廃墟から戻り、廃墟とドレイクの消失を報告する。世界樹のあった場所に、広大な穴が開いていたことが原因である。したがって、シャドウベインのありかは不明となった。
 聖マローンが、テンプラーとコンフェッサーからなる、大規模な部隊を派遣して、世界樹のあった場所を警備させる。

 

・97年:
 現代。天変地異がおきたとき以来、五世代が経過したことになる。あらゆる場所で問題がおきており、人びとが悩んでいる。

 

用語一覧

 

《あ》:アエアインス(Aerynth)、アデラード(Adelard)、アラコイクス(Aracoix)、アルヴァエティア国(Alvaetia)、アルフボーン(Aelfborn)、暗影軍団(Unholy Legions)、アンギルロール[青智者](Angillor the Blue)、アンデッドハンター(Undead Hunter)
《い》:茨王(Briar King)、イレケイ(Irekei)、陰惨暦(Shadow Year)、陰暦(SY)
《う》:ウィザード(Wizard)、ヴィラクトゥ(Virakt)、ウィルムスレイヤー(Wyrmslayer)、ウォーリアー(Warrior)、ウォーロックリー術(Warlockry)
《え》:エリック・エッセンガル[竜騎士](Eric Essengal the Drake)、エルフ(Elf)

 

《か》:カイアハルドラン市(Cair Haldoran)、骸布兄弟会(Brotherhood of the Shroud)、神(Gods)、カンブリュワン(Cambruin)、カンブレル・ナッシュ(Cambrell Nash)
《き》:キエラヴェン(Kierhaven)、究極血潮闘争(Final Blood War)、教会会議(Synod)
《く》:軍閥総統(War Lord)
《け》:剣の書(Book of Swords)、原始宗教(Old Faith)
《こ》:交雑児(Half Breed)、混沌(Chaos)、コンフェッサー(Confessor)

 

《し》:シェイド(Shades)、氏族王(Thane of Thanes)、死灰預言者(Burned Prophe)、灼熱砂漠(Burning Land)、シャドウベイン(Shadowbane)、十二信条(Articles of Faith)、主教(Bishop)、呪術師結社(Arcane Conclave)、浄火修道会(Order of the Cleansing Flame)、浄火神殿(Temple of the Cleansing Flame)、上級王(High King)、上級王国(High Kingdom)、上級王座(High Throne)、上級女王(High Queen)、神祇官団(Council of Pontifices)、全父教会(Holy Church)
《す》:枢機卿(Cardinal)、ストームロード(Storm Lord)
《せ》:聖人(Saint)、聖都(Holy City)、生命の樹(Tree of Life)、世界樹(World Tree)、世界人類(Children of the World)、セシェーリーン(Sesherin)、絶望期(Dark Years)、ゼリスタン[賢者](Zeristan the Wise)、全父(All-Father)
《そ》:争闘時代(Age of Strife)、総大司教(Patriarch)、ゾンビ(Zombie)

 

《た》:ダークナイト(Dark Knight)、タースィーア[雷槌](Tharsir the Stormer)、大氏族長(Thane)、大主教(Archbishop)、対鬼子大審問(Grand Inquisition Against the Mis-born)、大聖堂(Cathedral)、ダルゴス[聖都](Holy City of Dalgoth)
《ち》:地界(World)、智者(Magus)、鳥人(Bird Man)
《て》:ディヴェアヤンド市(Diveryand)、天使(Archon)、テンプラー(Templar)、天変地異(Turning)
《と》:道徳律(Code)、ドランゲルリコール(Drangellikor)、鳥爪戦役(War of Talons)、ドルイド(Druid)、ドレイク(Drake)、ドワーフ(Dwarf)

 

《な》:ナイト(Knight)、南方人(Southlander)
《ね》:ネストル38世(Nestor the 38th)

 

《は》:バーバリアン(Barbarian)、背信者(Traitor)、破片王国(Petty Kingdom)
《ひ》:ヒーロガ(Herogar)、ヒト(Man)、昼中時代(Age of Days)
《ふ》:不死者(Undead)、不滅帝国(Deathless Empire)、フレイムドレイク(Flame Drake)、プレレイト(Prelate)、ブロンウィン(Bronwyn)
《へ》:ヘーイン・ラウディングソン(Hagen Hraudingsson)
《ほ》:北方人(Northman)

 

《ま》:マーディオック・ウィルムスレイヤー(Mardiock Wyrmslayer)、マローン[無私者](Malorn the Just)
《め》:冥界(Void)、メリッサル市(Mellissar)、メルドリン・オブ・ソーウェンフェルス(Meldrin of Sorwenfells)

 

《ゆ》:勇士(Champion)
《よ》:妖人王(Elflord)

 

《る》:ルーン門(Runegate)
《れ》:レンジャー(Ranger)

 

《わ》:ワンフォード(Wanford)