シャドウベインの背景世界

MMORPG、Shadowbaneがもつ舞台設定の翻訳

Dianthe, Amazon Sentry (ディアンテー[女人族の哨兵])

 そこから動くな。あたしはパロミ族の選良であり、パイドラーの帝国における娘こと、ハントレスだ。あたしたちはこの土地を請求しており、侵略者たちを許しはしない。パロミ族へ参加、もしくは、あたしたちへ奉仕したいのであれば、諸島の中央にいる、あたしの姉御を探せ。
 この森から、混沌の兵士たちと邪悪な怪物たちを放逐するために、あたしたちが集められる、全部の槍が必要になる。じっさいに、ヴォルグリム軍団はこの場所に集まっており、あたしたちは追い出すことに苦労している。仕える気がないならば、立ち去れ。
 パイドラーの民は常に分散して暮らしてきたので、この諸島に避難所を作れば、それで満足する。もしくは、失われた故郷であるデルガーナへの、戻る手段を見つけたいだけだ。この森に入るつもりならば、気をつけろ。

女人族たちは、この森で何を請求しているのですか。

 おまえたち、いわゆる文明の土地に住む者たちは、すでに忘れたのだろう。パイドラーの父は、かの女を正統な玉座から追放した。そのときに、パイドラーは、野獣たちを従えるヘヴラリス半神、ならびに、豹の母ことヴァシュティーラ獣主に導かれた。そして、同じ大志を抱く女性たちを連れて、南への大移動をおこなったのだ。
 パイドラーたちは、道中で多くの場所に立ち寄って、神殿および避難所をいくつも建設した。それらは、小さな王たちと全父の手先たち、ならびに、母神の力に誘導されている迫害者たちから、遠く離れた場所にあった。なぜなら、新しい居住地を築こうとしたからだ。
 いずれの場合も、パイドラーたちは、邪悪な生物たち、もしくは、王たちの諸軍隊によって、放逐された。最終的に、パイドラーは、かの女の姉妹たちをデルガーナの大渓谷へ連れていき、同地で、夢想さえしなかった世界を建設した。

 大転換が発生したあとから、女人族における多くの部族が、故郷への道を求めて、いくつもの陸地破片を放浪してきた。あたしたちは、パイドラーが千年いじょう前に建てた諸神殿の、基礎が現存している、昔の避難所を見つけた。あたしたちは、諸神殿を再請求して修復したが、雨が降るこの森では諸悪が潜んでいる。だから、あたしたちの仕事はまだ終わらない。

どのような混沌の手先たちが、ここに住んでいいますか。

 汚いネクロマンサーが、この場所における古い諸遺跡のあいだで、居住地を構えた。悪魔将校たちを崇拝する山羊人たちの大軍勢は、ヴァシュティーラ神にとって神聖だったこの土地で、邪悪な諸儀式を実践している。山羊人たちは、多くの同盟者を引き入れた。歪んだ鼠人たちとジャイアントたち、ならびに、暗い生物たちだ。ヴォルグリム軍団の鍛えられた戦士たちは、怪物たちのあいだへ使者たちを派遣したが、同軍団の目的は判明していない。

ヴォルグリム軍団とは何ですか。

 それは黒い名前であり、昔は大変な名誉を帯びていたが、現在では、罪と混沌ならびに背信で染まっている。ヴォルグリム軍団は、災厄戦争の途中における愚行から生まれた。本来の同軍団は、エルフとヒトの両軍隊における、最高の兵士たちを起源としている。かれら長子種族と人の子が、共通の指揮に従って肩を並べ、戦った場所で結成した、精鋭の軍隊だった。
 ヴォルグリム軍団は、多くの戦線で混沌勢力の進撃を食い止めた、戦争の中期に、最高の名声を獲得した。シャドウベインが奪還されて戦局が転換したあとに、戦争神マローグは、全父による兵士の招集に応え、長い隠遁から戻ってきた。マローグ神じしんがヴォルグリム軍団の指揮を執り、同軍団を多くの勝利へ導いた。傲慢になったヴォルグリム軍団は、次第に、エルフおよびヒトの王侯たちとの関係を断っていった。そして、同軍団は死と栄光を求めて、強大な将軍だけに従い始めたのだ。

 マローグ神が全父を裏切り、魔界の奈落で破滅させようとしたときに、ヴォルグリム軍団の命運は尽きた。ヴォルグリム軍団の戦士たちは見捨てられ、かれらの邪悪な主人とともに閉じ込められた。マローグ神の裏切りは、ヴォルグリム軍団の名前を永遠に毒した。同軍団についての物語および歌は、意図的に忘れられ、生存した少数の成員たちは離脱した。
 しかし、ヴォルグリム軍団は活動を再開した。マローグ神は破壊神モーロックとして生まれ変わり、世界へ戻ってきた。そして、戦士たちおよび帰依者たちの、混沌に属する両者が、ヴォルグリム軍団の古い装備を着て現れたのだ。
 モーロック逸脱神は、ヴォルグリム軍団の、呪力を帯びた遺物を求めて、遺跡および古い場所を探索している。したがって、一部の人びとは懸念している。この不具神が、同軍団を改革して利用し、アエアインスにおける全部の陸地破片を、征服しようと企んでいるのかもしれないと。
  ヴォルグリム軍団の暗い目的がどのようなものであっても、同軍団は、女人族の領域に侵入したことを後悔するだろう。

会話を終える。

 

用語一覧

《あ》:悪魔将校(Banelord)、姉御(Majestrix)
《う》:ヴァシュティーラ(Vashteera)、ヴォルグリム軍団(Vorgrim Legion)
《お》:王(King)

《こ》:混沌(Chaos)

《さ》:災厄戦争(War of the Scourge)
《し》:ジャイアント(Giant)、シャドウベイン(Shadowbane)、女人族(Amazon
《せ》:全父(All-Father)

《た》:大転換(Turning)
《ち》:長子種族(Firstborn)
《て》:ディアンテー[女人族の哨兵](Dianthe, Amazon Sentry)、デルガーナ(Delgaana)

《な》:奈落(Pit)
《ね》:ネクロマンサー(Necromancer)、鼠人(Rat-man)

《は》:パイドラー(Phaedra)、パロミ族(Palomi Tribe)、ハントレス(Huntress)
《ひ》:ヒト(Humanity)、人の子(Son of Men)、豹の母(Mother of Panthers)
《へ》:ヘヴラリス(Hevralis)
《ほ》:母神(Mother Goddess)

《ま》:魔界(Chaos)、マローグ[戦争神](Malog the War God)
《も》:モーロック[破壊神](Morloch the Destroyer)

《や》:野獣(Beast)、山羊人(Goat-man)