〈忍びよる破滅〉
魔神たちは奈落を治めながら、邪悪な意思にもとづいて、無数の悪魔を従えてきたという。全父と彼の同胞神たちは、アエアインスの創造よりもまえに、混沌軍団と戦った。その壮絶さは、エルフの古い記録に記されている。しかし、この苦い経験は、悪魔たちじしんも覚えているようだ。全父と同胞神たちは、魔界の魔神王ことコラウールを殺害したため、そのとき以来、他の魔神たちは報復を行おうとしてきた。
数千年後、魔神たちは災厄戦役をおこし、悪魔の大群がアエアインスの全土に充満した。ヒトとエルフ、さらにケンタウロスとジャイアントの軍隊が団結したが、戦いは敗北に終わろうとしていた。さいわいにも全父が悪魔の軍勢を、魔界門の内側まで押し戻し、門を閉じたことで、戦局はくつがえされた。
こうして魔神たちは敗北したが、彼らはまだ全滅していない。
魔神の一柱、獰猛神ヴラナックサスは、災厄戦役の末期に、三人の天使によって拘束された。それから数百年が経過したころには、牢屋の警備が緩慢になり、天変地異がおきてからは、魔神のことは忘れられていた。アエアインスの人びとは、この絶大な脅威に気がついていなかったのだ。
ヴラナックサス魔神は、寝ている人びとの夢と自分の呪術を利用して、多くの魂を汚した。そしてヴラナックサス魔神の救出と、魔界門の発見ならびに開放をたくらむ、災厄教団を組織した。
争闘時代の九七年に、災厄教団はついにヴラナックサス魔神を助け出した。その後、この魔神が魔界門を開放すると、中から魔界の軍勢が現れ、ふたたび進軍を始めたのである。邪悪な呪術によって、メイルストロム島が可視化され、その存在が広く知れ渡った。そしてアエアインスは、混沌の台頭に衝撃を受けたのである。
[追加種族]
ネフィリム
[追加生業]
センチネル、ドゥームセイヤー
[追加資格]
コンジュラー、ダークスウォーン
用語一覧
《あ》:アエアインス(Aerynth)、悪魔(Demon)
《う》:ヴラナックサス[獰猛神](Vranaxxas the Mauler)
《え》:エルフ(Elf)
《け》:ケンタウロス(Centaur)
《こ》:コラウール(Kolaur)、混沌(Chaos)、混沌軍団(Host of Chaos)、混沌の台頭(Rise of Chaos)
《さ》:災厄教団(Cult of the Scourge)、災厄戦役(War of the Scourge)
《し》:ジャイアント(Giant)
《す》:同胞神(Companion)
《せ》:全父(All-Father)
《そ》:争闘時代(Age of Strife)
《て》:天使(Archon)、天変地異(Turning)
《な》:奈落(Pit of Chaos)
《ひ》:ヒト(Man)
《ま》:魔界(Chaos)、魔界門(Chaos Gate)、魔神(Dark Lord)、魔神王(Dread Overlord)
《め》:メイルストロム島(Maelstrom)