〈伝承を伝える者〉
暖炉の側で宴会が行われるとき、バードは音楽を演奏し、歌を歌うことで太古の伝承を今に蘇らせる。古くからバードに伝わる技術は北方人のスカルドを起源とするが、今日では地界のあらゆる場所でバードを見つけられる。
バードを志す者は口上と演奏を上達させるだけでなく、記憶力を鍛えなければいけない。なぜなら、伝承全体を表現する歌は数千もの詩節から成り立つためである。通して聴くと三日間を費やすほど膨大であるが、熟練したバードは一語も間違えずに歌うことができる。バードは歌の記憶に本などの資料を必要とせず、拍子と韻だけを活用する。
バードの役割は歌うことだけにとどまらない。彼らには放浪の生活を送り、新しく起こった出来事を記録する義務がある。バードの訪問を歓迎しない場所はなく、彼らの見事な歌は、荒廃した現代の人々に喜びを与える。バードの到着とともに外部の情報が知られるため、人里離れた村の住人は発泡酒よりもバードの歌により多く対価を払う。
バードの活動により伝承は記録となり、地界の全体に広まる。そのようにして、英雄たちの偉業はは称賛の対象となり、彼らには惜しみない賛辞が贈られるのである。
問題を抱える人々に対し、助言を行うこともバードは得意としている。なぜなら、バードは物語の中から様々な人物が直面した事例を紹介できるからである。英雄たちについてだけでなく、呪術師と魔女、さらにジャイアントについてなど、バードの歌が扱う題材は豊富である。
言葉と名前は力を秘めており、バードはそれらを呼び起こすことができる。人々が普遍的に知る野獣と怪物の様態、さらに神秘的な財宝にまつわる伝承などはバードが伝えたものである。バードは苦痛を与える歌を敵に聞かせられるだけでなく、物に呪力を込めることも得意とする。
兵士たちの一部には、戦場で歌うバードを戦いの妨げとして嫌う愚か者もいる。しかし、バードの歌には戦う者たちの闘志を奮い起こす力があり、その歌は戦士たちを栄光と死に駆り立てる。バードの歌により、過去と現在は未来に伝えられていくだろう。
[対応する種族]
アラコイックス、アルフボーン、イレケイ、エルフ、ネフィリム、ヒト
[対応する素質]
メイジ、ローグ
[対応する資格]
アーチメイジ、アーチャー、アーティレリスト、アニメイター、アンデッドハンター、ウェアウルフ、エンチャンター、コマンダー、コンジュラー、サボテュア、サンダンサー、スカイダンサー、トラヴェラー、ナイト、バウンティハンター、バトルメイガス、ハンツマン、ブラックマスク、ブラッドプロフェト、ブレイドウィーバー、ブレイドマスター、プロスペクター、ラットキャッチャー、ルーンキャスター、ワイアームスレイヤー
用語一覧
《し》:ジャイアント(Giant)
《す》:スカルド(Skald)
《ち》:地界(World)
《は》:バード(Bard)
《ほ》:北方人(Northman)