シャドウベインの背景世界

MMORPG、Shadowbaneがもつ舞台設定の翻訳

Elf Ways (エルフの道筋)

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 大多数のエルフは、自分たちのことを、世界人類のなかで最も完璧な種族と認識しており、かれらの傲慢さは限度を知らない。エルフは、白夜の下を最初に歩いた種族として、自分たちのことを覚えている。そして、他の諸種族に対して宣伝をおこない、エルフの歴史が忘れらないようにしてきた。エルフの全員が、かれらのもつ文化および文明を、最高に優れているものと認識している。なぜなら、他の諸種族が生まれるまえに、千年いじょうも先行して、洗練されていたためである。
 エルフは情熱的であるため、何をするにも極端な方向へ向かう。エルフのうたう歌には、超自然的いえるほどの魅力がある。かれらの宴会はとてもにぎやかであり、愛においては激しく、戦争では残虐性を示す。エルフは、ぶどう酒と星明かりならびに音楽を愛好する。かれらの趣向には退廃的な傾向があるが、鑑賞の対象は、あらゆる形式の芸術にもおよぶ。

 

 過去に存在した白夜王国は、洗練性および進歩性において頂点に到達した。しかし、時代の流れとともにエルフの社会は腐敗し、冷酷な性格をもつようになった。そして、呪術の醜悪な実験と拷問ならびに放蕩が、広く浸透した。
 エルフは、自分たちの先天的な優越性を確信して、いくつもの種族を下等種族と認識し、長い歴史のなかで大勢を奴隷にした。そのうえ、隷属していない残存者たちの絶滅を目的として、たびたび激しい戦争をおこなってきた。悲涙戦役の悲惨な結果によって、エルフの性格は悪化し、現代における大多数のかれらは、辛辣かつ意地が悪い。

 

 過去のエルフは、地界に支配者として君臨した。そして、石膏と銀および水晶で作られた、多くの都市に居住し、そうでない者たちは、深い森の奥にある空き地で暮らした。現在では、輝かしい諸塔は崩壊したか破壊され、ヒトがもつ諸王国の拡大にともなって、森林は減少した。
 悲涙戦役でエルフの人数は激減し、生き残った者たちは憂鬱になり、ヒトの目が届かない原生林で、漂泊の生活を送っている。人の子たちは、エルフに対して、嫌疑と憎悪の両方を抑えられなかった。そして、浄火神殿は、エルフの絶滅を目的として、恒久的な運動の開始を宣言した。
 エルフたちが生きられる期間は非常に長く、大多数のかれらは、現在の問題および目先の出来事に対し、関心をもたない。そのうえ、気が散りやすい性格により、計画もしくは着想の両方において、実現させるための集中力が欠落している。しかし、エルフが、ひとたび行動の方針を確定させたばあい、かれらの高い自尊心は、強い決意を生じさせる。

 

 悲涙戦役が終結したあと、エルフのなかには、人の子に対し、激しい憎悪をもった者たちがいた。かれらは、凄惨な戦争の再現を目的として、諸軍隊を召集している。事体を深刻に受けとめた他のエルフたちは、偉大な帝国の喪失を嘆き、敵と争わないで生き延びることを選んだ。最年長のエルフたちは、大勢でエルフの組織から離脱して、原生林のなかへ消えた。このようなエルフたちの行き先と計画は、内容にとどまらず、存在じたいも不明である。

 

用語一覧

 

《え》:エルフ(Elf)

 

《か》:下等種族(Lesser Race)

 

《し》:浄火神殿(Temple of the Cleansing Flame)
《せ》:世界人類(Children of the World)

 

《ち》:地界(World)

 

《は》:白夜王国(Twilight Kingdom)
《ひ》:ヒト(Man)、人の子(Son of Men)、悲涙戦役(War of the Tears