シャドウベインの背景世界

MMORPG、Shadowbaneがもつ舞台設定の翻訳

ケーナリュン[狩猟神][未改訂版](Kenaryn the Hunter [Unrevised Version])

 全父の同胞神たちのなかで最も明朗かつ最も自由な、ケーナリュン神は、狩猟の主人である。競技および冒険への満たされない欲求にもとづいて、同神は居住を嫌い、同胞神たちの側に長くは滞在しなかった。〈偉大なる父の遠き放浪〉のなかで、ケーナリュン神は、混沌の諸軍団および魔神王コラウールに対する、最初の戦いに参加した。
 ケーナリュン神は、立派な雄鹿の諸角をともなう冠を着けている。同神は、有角狩人および大雄馬、ならびに、伝説的な銀鹿などの、多数におよぶ姿をとる。ケーナリュン神は大きな角笛をもっている。それを使うことで、妖しく輝く、燃えている赤い両目をもち、小型の馬と同じ大きさをともなう、猟犬の群れを指揮する。
 ケンタウロスたちの伝説によると、ケーナリュン神は、月の光輝女神ことサエドローン女神を見つけた。このときの同女神は、霜の柱の中で氷つきながら眠っていた。ケーナリュン神は、同神がもつ強力な角笛を吹いて、サエドローン女神を目ざめさせた。そして、同女神と結婚し、ケンタウロスたちが生まれることになった。
 白夜時代に、ケーナリュン神はドラゴンの撃破を援護した。そのすぐ後に、サエドローン女神の狂気から、恐ろしい獣である根絶獣グラロクールが生まれ、同神は半永久狩猟を始めた。伝説によれば、ケーナリュン神は、妻の壊れた心を回復させるために、根絶獣の捕獲を長期にわたり試みてきた。したがって、同神は世界人類から遠ざかることになった。
 ケンタウロスたちは、ケーナリュン神とグラロクールが、地界が終わるときに対面し、戦いをおこなうと信じている。しかし、その対決が、結局は発生しなかったと考える者たちもいる。天変地異がおきたあとに、ケーナリュン神が現れたことはなく、同神が呼びかけに応じることもなかった。そして、多くの人びとが、狩猟神が根絶獣の餌食になったのではないかと、不安に思っている。

 

用語一覧

 

《い》:偉大なる父の遠き放浪(Far Wanderings of the Great Father)

 

《き》:銀鹿(Silver Stag)
《く》:グラロクール[根絶獣](Grallokur the Devourer)
《け》:ケーナリュン[狩猟神](Kenaryn the Hunter)、ケンタウロス(Centaur)
《こ》:コラウール[魔神王](Demon Prince Kolaur)、根絶獣(Devourer)、混沌(Chaos)

 

《さ》:サエドローン(Saedron)
《し》:狩猟神(Hunter)、狩猟の主人(Lord of the Hunt)
《せ》:世界人類(Children of the World)、全父の同胞神(All-Father's Companion)

 

《た》:大雄馬(Stallion)
《ち》:地界(World)
《つ》:月の光輝女神(Shining Goddess of the Moon)
《て》:天変地異(Turning)
《と》:同胞神(Companion)

 

《は》:白夜時代(Age of Twilight)、半永久狩猟(Long Hunt)

 

《ゆ》:有角狩人(Horned Huntsman)

 

訳者解説

 

 ケーナリュンの記事には、内容の大部分が異なる別版が存在しいました。本稿はそれを翻訳したものです。